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『ホタルの歌』
2021/02/14(Sun)
 原田一美著 『ホタルの歌』 を読みました。
 子ども向けの本です。というか読み終わってみると教師向けの本です。
 小学校6年生を受け持つ教師が、宿直当番の夜、算数のテストの採点をしているとき、ホタルを見に行こうと誘いにきた3人の子供と川辺に出かけます。何千という数のホタルの飛び交う姿を目の当たりにします。飛び交うホタルへの子どもの素朴な質問に何一つ答えられず、子どもたちに一緒に調べてみようといったところから始まる子供たちとのホタルの研究に関する内容です。

 ほー、ほー、ほたるこい、あっちの水は甘いぞ、こっちの水は苦いぞ、と歌が自然に口を突いて出てくるような場面で、ホタルは甘い水が好きなのかなー、そういえばホタルはいったい何を食べたり飲んだりするのだろうか?という疑問から始まるレベルは私にちょうどいい。

 読み終わると、昭和41年に中枝小学校の6年生だった皆さんの研究に、この読書によって参加させていただき、すっかりほたるの一生に限りない慈しみを抱いています。

 この研究を見守りつつ指導され、さらにこれだけの作品を残された著者に“感動” のやまない読書でした。


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『楽しい化石の採集』
2021/02/12(Fri)
 石井良治・井尻正二共著 『楽しい化石の採集』 を読みました。
 これは子ども向けの本で、とてもわくわくさせる本です。本でのいざないにさっそく化石採集に出かけたくなります。広島では帝釈峡などが挙がっています。そんなところに行かなくてもほらあなたの家のなかにも、あるいは家のすぐそばにも・・・・。などと化石の採集の段取りや作法やその容易さと楽しさと化石との対話の楽しさを語ってくれます。

  夫に花粉の化石の採取の困難さについて話すと、目の前で採取方法やその花粉の植物の見極め方まで楽しそうにペラペラしゃべり返してる。そんなによくわかっているのに化石の採集へ駆り立てられないのが大人なのかなーなどと思ってしまう。

 花粉の化石の採集は、オシリス・レックスやハヤブサ2の小惑星の標本採集の困難さにも通じるものを感じてしまう。
あの大宇宙からたった400gのサンプルの回収をしてくるのと、花粉の化石の採集とが、生命の誕生の謎に迫るおなじ作業に思えてくる。

 小惑星が地球の軌道と重なり衝突するときがだんだん近づいているのだという。そうなると 400gのサンプルと同じものが地球にも降りかかる。そのとき地球は崩壊し、生物は消滅するのか、・・・・。
地球が消滅すればタンパク質によってのみ生存できるコロナも消滅するのか。
・・・・・・。
 本当に生命の誕生は謎に満ちていることを感じさせる本でした。

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『ここは今から倫理です』
2021/02/07(Sun)
 昨夜、NHK総合・広島での 『ここは今から倫理です』 を見ました。
 カントのいう「人間は理性的な存在であると同時に自然的な存在である」という言葉を生徒に教授する場面から始まる30分間のドラマでした。
 この作品では、ある長期欠席生徒の心のなかに在る、カントのいう「理性的」と「自然的」な存在のありようを自覚させ、「理性的」な自律へと導いていくものです。

 ここでは机上の哲学をまことしやかに教授することを許さないのがカントの哲学かも知れないと思わせます。。わたしがそう感じたのは、習っていたころは私自身が正義を行うことで生活が成り立つ身体環境や家庭環境をともなったごく平凡な生徒であったからかもしれません。

 我が家には訪ねてくる人が意外と多く、その人たちは大好きなのに、訪問客で疲れ気味だったのが定年退職後の日常でした。ところが、月一の会合での風呂先生が亡くなられ、さらに古文書を習っていた加川さんも亡くなられて、おいしく作っての食事だけが生きがいの日々のなかでパンデミックが起こりました。やっと自分の時間、ぼーっと何時間も天井を眺めていたり、あるいはこれでもかと言わんばかりにこのおんぼろの家を掃除したりするなかで、実はとても気にかけて私を見つめてくださっていたのに私がそのことに気持を置かなかった倫理社会の阿川先生をなぜかよく思い出しています。

 先生は高校の時の2年3年の時の担任の先生でした。先生は普通科の校舎ではなく商業科の校舎に付随した小さな一人用の教員室におられて絵をかいておられたようです。初めてそこを訪ねたのは修学旅行に連れていけないと言われたことに怒って抗議のために学校にやってきた父をともなって仕方なく先生のもとに連れて行ったときです。結局話し合って阿川先生の友達が院長先生だった三次駅前の大きな外科病院に40日間入院させられました。

 先生の自宅を訪ねたのは結婚前に夫と行ったときです。わたしには中学生のころから親族のあいだでそれとなく結婚相手を決められていました。県道沿いの大きな農家です。体力に自信のなかった私は農業に自信がありませんでしたが、言い出せずいたので、誰か年長の人に相談をと思ったときなぜか阿川先生のところに行ったのでした。先生と夫とはすっかり打ち解けて絵の話などをしていました。結婚相手にと思われていた人も絵画で偶然新聞に出るような大きな賞を受賞した人だったのでもしかすると先生もご存じだったかもしれませんが、先生には親が結婚に反対すれば説得してやる位の思いもあったのでした。

 次に先生を尋ねたのは29歳の時文教女子短期大学に入学するとき内申書の相談に行ったことを覚えています。先生はその時はもう三次高校にはおられなくて、副担任だった吉岡先生に万事恃んでくださいました。

 卒業して広島大学に社会主事講習を受けに行かなくてはならなくなったころから先生はわたしを社会人と思われるようになったのか出会うと必ず食事をごちそうしてくださり、ご自分の家庭のことなどを話されるようになりました。
 そして先生は当時つぎつぎと新設される大型の文化施設の館長を歴任されるようになりました。最初に三次の風土記の丘の館長になられた時には施設を案内してくださいます。偶然施設の入って左側の壁面いっぱいの巨大な絵は、私が最初の職場で出会った小学校の校長先生の絵でした。そのころ夫がはらみちおさんと交流があり、よくアトリエを訪ねていて、彼のたくましく伸び行くものを見る下からの視線の絵と、阿川先生の総理大臣官邸に借り上げられて話題になった高みから時代をその流れからいちはやくつかみ取って見せていく視線での絵の対比を感じていたことなどいろいろ思い出します。

 あと3回 『ここは今から倫理です』 の放映が楽しみです。
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『手向山武蔵顕彰碑』
2021/02/06(Sat)
 これは、A3の用紙3枚の資料です。
 このような資料の数々をどのように整理しようかと日々悩んでいるといえば初志貫徹になるのですが、疲れたなどと、日々テレビ三昧です。今迄録画したものをいま一度じっくり見ています。
 そのなかに、2016年ころの100分de名著『宮本武蔵の五輪書』がありました。吉川英治の『宮本武蔵』で宮本武蔵を堪能していたころのことと比べるともっと時代的な検証のうえに彼の人生が意味づけられたら興味深く見る人もいたのではないかとの思いもして物足りなく見ました。

 そのあと、この資料が古文書解読のための辞書などに交じってあるのに気づき、なぜ古文書のなかに入っていないで解読辞書などのなかにあるのかと不振を抱いてこのところ眺めていました。
 顕彰碑とはいえA3の用紙1枚にぎっしりの漢文による碑文です。
 宮本武蔵が1645年に亡くなり、その9年後の1654年に武蔵の養子である伊織が藩より拝領した手向山に熊本泰勝寺の春山和尚の撰文になるこの碑を建てたとのことです。

 2枚目の4分の3くらいまでは「宮本武蔵名品集成」による『泊神社棟札』の表と裏に書かれてあるものです。それにひきつづき3枚目いっぱいこのふたつの記述にある単語の注釈があります。調べて分からない単語についてはクエッションマークがあり、調べてわかった文字とわからなかった文字tがその通りなので、私としてはこの注釈には信頼をおきます。
 碑文の文字をこのように活字化してそこに使用されている言葉の注釈を読んでいると、これまでの私の読み方で、字面や文脈から勝手に解釈している古文書の解読におおいに反省をさせられます。
 この資料はこういった反省を促すための解読資料だということが分かってきます。

 この解読のための資料のなかで同じように反省したものに『武一騒動』のなかにあった資料もありました。武一騒動は広島藩の藩主が廃藩置県によって江戸に行くときに不安にかられた藩の人びとによって起こされた騒動で、地元の事でもありますし江戸時代も終わりのころの古文書でもありますので、けっこうこれも文脈にによって勝手な解釈をしていたかもしれません。しかし、例えば「川成」は洪水によって川になった田畑、「明知」は藩士などに知行されていない予定地などと、60項目ちかく丁寧に調べてあるのを読んでゆくうち、文中のなかでこれらを常に正確に理解していたかどうか不安になってきます。

 100分de名著『宮本武蔵の五輪書』では、武蔵へのイメージは後の人たちの想像によってずいぶんかけ離れていった部分があることが最近の古文書の発見によってわかってきたと説明されていましたが、この資料は亡くなって9年目のものですし、剣術での腕を語る元となることがらが箇条書き風に書かれてあるのでかなり真実に近い資料といえます。


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