『おじいちゃんの書き置き』21世紀を生きる君たちへ
2008/02/23(Sat)
志村建世の『おじいちゃんの書き置き』を読む。

この記事を書きながら気がついたのだが偶然にもこのサブタイトルの「21世紀を生きる君たちへ」は司馬遼太郎が教科書向けに書いた作品(名作)と同じタイトルだった。

この作品はいちばん下の6歳の孫を読者に想定して、その孫が成長してきちんとものが考えられるようになってから読んでくれればよいという気持ちで書き綴ったことを明らかにしている。

著者は昭和8年生まれで私より16歳年上だ。
日華事変の時にはもう物心ついていて多感な子供ではありながらも生活者として戦中戦後の経験をされている。

11章まであるが、1章から4章まではそんな自分史であったり、明治からの日本史であったりする。
生きた歴史を垣間見ることが出来て、大変興味深く読めた。
仕事についての後悔などは特に男性はなかなか人には語らないが、そこは、孫達に何かの役に立ちたいという思いからか素直に語られていて、人は本当はそんな話が聞きたいのだということに気づかされる。
何に迷い、何に振り回され、何に喜びを感じたのか、何を大事にして生きてきたのかということが率直に語られていて、私達も実は高齢者の人たちや、父や母や祖父母達から(全てこの世にはもう居ないが)こんな話が聞きたかったのだと強く感じた。

5章から終わりまでについては、作者のものの考え方や、感じ方について項目を挙げて2ページづつ書かれてあるのだが、何かに憤慨したとか、納得できないとか、無上の喜びを感じたとかいった記述ではないので教科書的で読み物としてはなぜか興味が薄れてななめ読みになってしまった。

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コメント
- ありがとうございました -
「おじいちゃんの書き置き」をお読みいただき、ありがとうございました。この本は、版元の碧天舎が倒産したため絶版になりましたが、どこかで入手なさったのでしょうか。窮余の策で、私のブログにも全文を収録しておきましたが。
 この本の後半は、自分が考えたことを全部書いておこうというようなことで、たしかに教科書的になりました。孫への私的教科書では、そっぽを向かれるかもしれませんね。
2008/03/10 16:50  | URL | 志村建世 #O94VIzx6[ 編集]
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