『鷹の井戸』 ㈠
2017/07/10(Mon)
 ウイリアム・バトラ・イエーツ著 松村みね子訳 『鷹の井戸』 を読みました。
 昭和28年12月に初版・平成元年11月再版発行の角川文庫です。
 95ページの薄い文庫本のなかに三つの物語最が収録さています。
 この前、第203回広島ラフカディオ・ハーンの会のとき、古川さんが、能『鷹姫』を東京で観られて紹介してくださり、そのあとも風呂先生が解説を加え、紹介してくださった本で、ネットで夫が買ったのです。
 カバーの折り返しに、
 ≪本書は、わが国の能舞台にヒントをえた作品として広く知られる。古色ゆたかなアイルランドに生をえた薄命の詩人イエーツがケルト神話をもとに描いた幻想と神秘の物語。≫
とあるように、三つの物語はその台本です。それぞれ、舞台の絵とタイトル、登場人物、登場人物のせりふ・登場人物のしぐさや、音響についての説明になっています。
 登場人物のしぐさや、音響についての説明は、カッコつきでさらに小さな活字ですので画数の多い漢字は虫眼鏡で読み取るのがやっとで、大変でした。
 ㈠では、最後の物語のひとつ、「鷹の井戸」の記録をします。
 舞台は井戸の仕切りがあるだけでシンプルです。井戸の守りと老人と青年が登場人物で、ほかに楽人が3人います。舞台には井戸があって、井戸の守り神とおぼしきうずくまった少女と老人がいます。
 そこに青年がやってきて、飲む人は永久に生きるという軌跡の水を飲むため、井戸探してきたことを告げます。
 老人は青年に、自分は若いとき青年と同じように幸運の風に吹かれたつもりでここにきて、50年間ずっとこの井戸に水が湧き出るのを待っているが、水が湧き出るのは、山に踊る聖い影ばかりが知っている神秘の一瞬だけだといい、その踊りの精のおかげでこれまで三度、いつも眠っている間に水が沸き出ていて飲むことができなかった。それでもずっと待っているといいます。そのとき、少女が鷹の声で鳴きます。老人は少女が鷹の精に取り付かれ、誰かを殺すかだますことに気づきます。それに立ち向かうために槍を手にして戦いに行きます。
 井戸のそばにある葉のないはしばみの木は教えます。永遠の命を得んがための戦いよりは、のどかなたのしい生命を選び、妻を娶り、古い炉のそばで子供らと犬のみを宝と頼む生活をほめるといって終わります。
 これを読み取るのに何度も読み返し、その間にうたた寝をしたときには、これに関するわけのわからない夢も見ました。
 ほんとに短い台本ですが・・・。
 なぜか、イギリスから、荒涼としたアイルランドの実態を知らず、何か富を得ようとして略奪に来た者たちへの、呪いに思えるケルト神話のようにも思えてきます。
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