『ふたりのイーダ』
2017/08/01(Tue)
 松谷みよ子著『ふたりのイーダ』を読みました。
 これは、1976年講談社発行ですが、7年前に他で発表されたもののようです。
 名作中の名作に出合ったという感じです。
 昨日、一挙に読みました。
 物語の最後、広島の原爆に遭って孤児になり自分が誰かもわからない3歳の女の子が、やはり3歳の女の子を原爆で亡くした夫婦に育てられ、そのような自分の過去のことを知ったその子が、1945年8月6日、原爆の落ちた日の日めくりカレンダーをそのままに廃墟になっている家の子どもであったことを知る場面では、先日の七月二日(日曜日)に、夫と二人でサロンシネマで観た、こうの史代原作・片淵須直監督 映画 『この世界の片隅に』の最後に、女の子を空襲で失た家族が、被爆地で出合った被爆孤児を連れて帰って家族で育てる場面からの続きに出合ったような気持がしました。
 物語は、小学4年生の直樹君が、母親が九州での取材の間、妹で3歳のゆう子と一緒に、東京から瀬戸内海にある広島に近い花浦の祖父母の家に数日預けられるところから始まります。
 直樹は、祖父母の家から近いお堀に出かけ、「イナイ、イナイ、ドコニモ・・・・イナイ・・・・」と呟きながら足をひこずるようにして歩いている背もたれの付いた小さな椅子に出合います。その椅子は城山のくぼみの林の奥にある一軒の洋館建ての廃墟に行きました。翌日祖父母の留守中ゆう子の面倒を頼まれた直樹は昼寝から目をさますとゆう子の姿が見えずあわてて探すうち、洋館建てまで行ってみると、ゆう子が一人おままごとをしています。直樹にであったゆう子は「だあれですかあ。」と尋ねます。翌日祖父母が宮島へゆう子と出かけた留守に祖母から留守中の直樹の様子を見てくれるように頼まれたりつ子が来てくれますが、大丈夫と早々に返して不思議な椅子のある廃墟に行ってみます。家に上がると椅子は「マッテイマシタ」と迎えてくれます。椅子とも話せるようになった直樹は、この家のことを椅子から聞き出します。椅子は「イーダガカエッテキタ」といいます。このうちには以前アンデルセン童話の「イーダちゃんの花」という作品が大好きな女の子がいたこと。しかし、直樹の妹のゆう子にもイーダというあだ名があって、椅子は彼女と勘違いしているのでした。しかしそのうち、だんだんにゆう子がこのうちのことに通じていることから、以前このうちにいた人の再生ではないかと思えるようになります。いろんな秘密を背負って思いつめているとき再びりつ子に出合い、とうとうこのような秘密を打ち明け、自分ではわからない情報を彼女に託します。そのことを調べたりしているうちに、実は、こ家には、椅子など家具づくりの名人のおじいさんといつ子という女の子がいて、原爆の落ちる当日二人は広島に出かけておじいさんは被爆死、いつ子がりつ子だったことがわかってていくのでした。その間の話が長いのですがそこへ行きつくまでの話がとても感動的なのでした。

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