『ギリシア神話』オリンポスの書
2017/08/29(Tue)
 斉藤 洋(文)・佐竹美保(絵)『ギリシア神話』オリンポスの書 を読みました。株式会社理論社から2009年6月の初版本です。
 『ギリシア神話』オリンポスの書・ペルセウスの書・トロイアの書と3冊シリーズの中の第1巻です。
 この書は、オリュンポスの12神について語られています。しかし、オリュンポスの12神は神々のうちの1部であるし、神々の話はこれですべてではなくほんの1部だと最後に念が押してあります。
 12神とは、ゼウス、ヘラ、アテナ、ポセイドン・ヘバイストス・ヘスティア・デメテル・アレス・アポロン・アルテミス・ヘルメス・アフロディアです。
 その12神の関係について図式が最初に掲載されていますが、兄弟のうえから、ポセイドン・ヘスティア・デメテル・ヘラ・ゼウスの順にうまれていますが、神々の王は末っ子のゼウスです。そして、すぐ上の姉ヘラがゼウスの後妻です。
 ゼウスの先妻の娘アテナがこの物語12神の語り手です。
 アテナは神としての領分は正義と知恵、それに戦争と技巧の女神で、守護神として納めるべき土地は、アッテカです。
 人間が、神々についてとやかく言うことは許されることではありませんが、自分は神だから多少は許されると断わりながら、12神について語っていきます。
 良識を持ったアテナの語った物語を読み進むことで、アテナのほかの性格もよくわかるようになっているところがおもしろく、また感心させられます。
 神々のいろいろの物語については、冷静にその事象を語っているのですが、自分の出生とアポロンの出生については、阻害を受けたことにこだわっているのか、同じような目に合っている読者に肩入れして、励ましています。
 最初にアテナの出生については語られているのですが、アポロンの不幸な出生について語るとき、≪ここで、ひとこと言っておきたいことがある。≫と前置きして、≪神々にしても人間にしても、誕生が心待ちにされたかどうか、また祝福されたかどうかということと、生まれてきた子の価値はまるで関係ない。≫といい、さらに祝福を受けた子供にたいして、そのことは価値があるので自分を大切にするようにと諭す人間の大人を槍で突き殺してやろうかとさえ思ったと述べます。
 ≪わたしもアポロンも誕生を心待ちにされたわけではない。だが、この私をみよ!アポロンをみよ!ゼウスを別にすれば、わたしとアポロンの名はオリュンポスの神々のなかでも、ひときわ高く鳴り響いているではないか!≫と物語中「!」マークまでつけて宣言し、≪アポロンは太陽の神と、音楽や詩など芸術の神と、医術の神、数学の神、銀の弓の神、そして、予言の守り神にして神託の主ともうたわれていて、生まれると立ち上がって、「これより、わたしは竪琴と弓に親しみ、人間たちに父ゼウスのお考えを託宣するだろう。」と自分の役割を予言している≫と述べていてよほど、出生にこだわっているところが、うかがえます。ここまで言ってくれると、自分の出生が不幸だと思っている読者がいれば、女神に宣言されているのですから元気100倍です

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