『理勢志』 (1)
2017/12/15(Fri)
 『理勢志』の解読を一応終了しました。
 『理勢志』は、芸備藩を1601年に福島正則が拝領し、その後幕府に報告をせず勝手に城の修復を行ったなどのために召し上げられ、後1619年に浅野長晟が拝領したりといった、広島藩拝領地の「安芸・備後」についてとある役人が書いたものを、後任の役人がこれは参考になると書き写し、『理勢志』となづけた冊子です。
 文末に「嘉永七秊甲寅春写之」とあり、1854年春に書き写したということです。1854年は安政と思われる方もあろうかと思いますが、11月までは嘉永でした。
 懐かしかったのは、つけられた裏表紙に(平田蔵書・可部)という蔵書印が押されていたことです。
 平田さんは、私が20代の頃、古文書教室の片隅で古文書解読の様子を眺めさせていただいていた時分、非常な熱心さで一文字一文字、ああでもないこうでもないと解読されていた方です。
 可部公民館の古文書クラブでは、当時は、解読する古文書を、下野会長がその日のものより少し多めに当時の青焼きで、全員に配布してくださいました。
 加川さんは、後年今風のコピーができるようになって、新たに下野さんのものをコピーしなおされた平田さんの冊子をコピーさせていただかれたのだと思われます。
 近世の国の組織や、それが地方に及ぼす影響や、大きな、事件・流行り病・天災・作物の豊凶・文化・文芸など研究されておられる大学の先生と、可部の方言や、産業、運搬経路や手段など、年寄りから聞いたり見せられたりしたことのある会員が、共同で一文字一文字解読されていく様子は、この50歳代以上の会員の方々がおられなくなったら、どうなることかと思ったものでした。会員ではあとは、30代後半の方が一人と20代の私一人でしたので。

 ところで、改めて、『理勢志』の解読を一応終了しました。ということの内容は、筆文字の『理勢志』の一文字一文字のもとの文字を原稿用紙に写し取るということです。たとえば、「候」という文字は、それに近いくずしから、ただの「、」だけのことまでがあります。
旧字、異体文字、俗字などの崩しもあり、文脈から、検討をつけて崩し文字の辞典で引いて、同じ姿の文字が「あっ!これだ」と崩す前の元の字を原稿用紙に書きつけるのです。
 たとえば、「弥」のくずしで、「いよいよ」と読ませるところがあります。何となく人名に出てきそうなこの文字が文頭にあったりすると、想像もできずとばします。ふたたび似た文字が出てきたとき、もしかして「弥」ではないかと検討をつけ、辞書を引いて見ますと「いよいよ」という読みがあることがわかり、それなら文頭にあってもと、納得できることがあるのです。こんな作業は、病気でもしなければできはしませんし、病気をしたのは、これをがんばりすぎたせいとも思えたりもするのですが・・・。
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コメント
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 素晴らしくも驚嘆するばかりの古文書の解読作業です。熱意も必要ですが、たしかに膨大な時間が必要と思えました。病で動けないからこそ集中できるという事は、とてもよく解かります。私なども入院して居る時が一番読書が進みましたから。普段は自分でも呆れる程読書に集中できず、体を動かさずにいると筋肉がダメになるような恐れが湧き、無駄に動き回り時間を浪費してしまいます。
あかね様には遠く及ばない私ですが、臥せてばかりおりますと、たちまち足が萎えてきますので、(若さが違うとは思いますが)病から回復なさいましたら、また登山など楽しめるよう体を動かして下さいね。ご夫君もお元気のようですが、ご夫妻共に年末を楽しく過されますよう、私共も時折りしか会えない二人の孫共々元気で年納めをしたいと考えております。
2017/12/15 11:35  | URL | みどり #-[ 編集]
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 実は・・・。と『理勢志』(2)を書き足しました。
 長い間パソコンばかりで文章を作っていましたので、漢字が読めても書けない状態になっていました。
 「このあたり」は「此邊」と、さらに古い文字で書いてあったりするのを、使ってある通りにしましたので、そんなところは大変でした。
 そうはいっても間違いも多いと思います。

 みどりさんはいろんなところへよく出かけておられるので、その行動力がうらやましいです。
 それに、政治情勢も気にかかることだらけで、夫婦で文句を言い合うばかりで、みどりさんのように行動を起こしていません。
 行動は大切と思うばかりです。
 このあたり、本当にみどりさんを尊敬しています。
 私は車に乗るのによほどのことがないと出かけません。
 今頃は、山にもあまり登りたいとは思わなくなりました。
 家で一日中二人で料理を作って「おいしいね!」と言って食べ暮らしています。
 
2017/12/15 19:04  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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