『潮騒はるか』
2018/01/16(Tue)
 葉室麟著 『潮騒はるか』 を読みました。
 これも、江戸時代ですが、幕末です。すこし、勝海舟や西郷隆盛や月照も登場します。
各藩が、幕府と朝廷との板挟みになって苦しむ時代です。
 そして舞台は長崎です。
 筑前博多で鍼灸医をしていた菜摘(なつみ)が、弟の渡辺誠之助と博多の眼科医稲葉照庵の娘、千沙を伴い、長崎で蘭学を学んでいる夫の佐久良亮のもとにやって来ます。
 しかし、夫の亮は皆が一緒に住むために広い家に移ってくれますが、勉強が忙しく生活を見てくれることができません。そのかわり、長崎奉行所を預かる岡部駿河守長常の妻で病がちな、香乃の手当と、奉行所の牢に収監されている女牢から病人が出たときは診察するという仕事を世話してくれます。
 シーボルトの娘のいねが、菜摘の鍼医療に興味を抱き、香乃の手当を見学に来て交友を結びます。
 あるとき、もといた福岡藩から横目付だという田代甚五郎が訪ねてきて、一緒に住み込みます。彼は、加倉啓という夫を毒殺して、逃げてきている千沙の姉の佐奈が長崎に来ているので、彼女と不義密通の罪で追われている平野次郎が、彼女のもとに来るはずと、彼を追ってきたのでした。
その佐奈らしき女人に奉行所の牢で、菜摘は巡り合います。佐奈は路銀に困って春をひさごうとして、途中で嫌になったらしく相手の旅の商人を懐剣で切り付け巾着を奪って逃げた罪で捕えられていました。
 菜摘は女医のいねに頼んで、この女牢の病状を診察してもらいます。佐奈であることは間違いないことがわかりますが、佐奈は妊娠しており、さらに遠く長崎にくるまでの疲労が重なり、このままでは命が危ない状態です。なんとか牢から出す方法をと、関係者で相談をし、こんど牢で死者が出たら腑分けをしようということを理由に、彼女を牢から出します。
 体調を見ながら、佐奈が家を出奔した理由、本当に佐奈は夫を毒殺したのか、平野次郎と不義密通をしたのかを問いただします。それと、横目付がわかっていたことと、こっそり福岡に帰って調べたこととなどを考え合わせ、和歌などを教える横山故山という人物が、佐奈の夫を殺し、佐奈を眠らせて襲い、佐奈は夫の子だと言い通しますが、もしかしたらその時できた子ではないかということになります。
 平野次郎の疑いも晴れ、実は佐奈は子どもの頃、両親と載っていた船が遭難し、両親は助かったものの、自分は遠くに流されたとき救ってくれたのがこの平野次郎だったことを打ち明け、その時の約束通り結婚をするという話でした。
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