『草雲雀』
2018/01/19(Fri)
 葉室麟著 『草雲雀』 株式会社実業之日本社 2015年発行 を読みました。
 葉室麟の作品の中に『草雲雀』という作品があることがわかってから、町内の大きな本屋2店舗に行って探してみたのですがありません。
 小泉八雲の作品に「草雲雀」という作品があります。一昨夜から小泉八雲の作品を読み返していると、「草雲雀」はタイトルの後に、「一寸の虫にも五分の魂」という諺が記されてあることを確認しているうち、やはり、どうしても読んでみたいと思い立ち、病院の帰りに図書館に行き単行本のところで探しましたがありません。ところが、ハード本のところに行ってみると葉室凛の作品が意外とたくさんあり、この『草雲雀』もありました。そして、2015年10月の発行なのに、たくさんの読者に親しまれたという手触りです。
 クサヒバリという昆虫を私は小泉八雲の作品を通して初めて知りました。 その頃、このあたりの秋の草原を夕刻訪ね歩いたのはもしかして私だけではなかったのかもしれないと思えてきます。

 葉室凛の作品には、タイトルの言葉が一瞬出るくらいのものが多いようですが、これでは何か所か出てきます。
 この『草雲雀』は、武家に生まれた28歳の主人公が、剣術の腕は立つものの四男であるために、父親が亡くなってからは、何をするにも、長兄の許可が必要な、部屋住みの身の上であることを、籠に入れられて飼われている草雲雀に象徴させているのです。
 しかるところへの婿養子の話もないまま、将来、甥の世話になって厄介者扱いになるのかと暗い気持ちになっています。そんな気持ちを察知して、優しくしてくれる女中ときもちが通じ合い、兄に嫁にしたいというのですが、百姓娘の者を正妻には出来ぬから、今まで通り女中として働かせ、妾にし、子はなしてはならぬということで認められます。しかし、本人は正妻とのつもりでいとおしむ生活が始まります。
 そんな夫の気持ちを慰めるために竹かごに入った草雲雀を彼のそばにおいてくれます。しかし、涼やかな音色を楽しんだ後、彼女は彼の希望で、草雲雀を広い草原に放してやるのでした。、
 同じ思いをしている五男の友達が、じつは家老と妾の間に生まれた子供で、今に家に里子に出されていたということことがわかり、もと家老の、長男が亡くなったために父親に引き取られることになったのでした。友達に彼の護衛を頼まれます。 親族や、派閥にも敵が多い中で、もし家老になれたら、お前を藩の指南役として百石取りにしてやる、そうすれば分家し、女中のみつを正妻にして、子どもをなすことができると約され、家老への苦難と、命がけの護衛が始まります。
 そして、めでたく念願成就となる話でした。
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