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『イワンの馬鹿』
2018/02/05(Mon)
 レフ・ニコラエビッチ・トルストイ著 木村博訳『イワンの馬鹿』を読みました。
 講談社の少年少女世界文学館全24巻のなかの一冊です。
 この一冊には、「イワンの馬鹿」と、「人はたくさんの土地がいるか」・「人はなにによって生きるか」・「受洗の子」・「小さな火種でも」の4作が収められています。
 図書館でお借りしたのですが、見開きに「読書指導のしおり」が挟まれて貼り付けられています。
 それには、巻末の解説をまず読んでから作品を読むことを進めています。
 トルストイは1828年に生まれ、1863~1869年にわたって最初の長編『戦争と平和』・1875~1878年『アンナ・カレーニナ』を書きます世界の文豪として有名になります。そののち、それらの作品をすべて否定して、此れこそ本当の文学だと、1881年『人はなにによって生きるか』、1885年『小さな火だねでも大火事になる』・『イワンの馬鹿』、1886年『人にはたくさんの土地がいるか』・『受洗の子』民話を書き始めます。『イワンの馬鹿』は発表当時はかならずしも好評ではなかったけれども、トルストイ自身は大変気に入っていたそうです。

 この本は、読んでよかったと思いました。
 私が、今までロシア文学で読みきることができたのは、ソルジェニーツインの『収容所群島』だけです。
 ロシア文学作品を、若い頃何度か手に取ってみたのですが、その中の固有名詞を読むだけで疲れてしまって、読み切ったことがありませんでした。それなら映画でもと、『戦争と平和』を2度も見に行ったのですが、おなじところぐらいで寝てしまうしまつです。
しかし、もともとこれらの作品は、トルストイが、子どもたちに自分の考えていることを知ってもらいたいと思って書いているということで、とても読みやすくわかりやすい作品ばかりでした。そして、とくに『イワンの馬鹿』では衝撃を受けるとともに、とても感動しました。
 キリスト教について、どのような分派があり、それぞれどのような教義を持っているのか正確には知りません。解説には、後年トルストイはトルストイ一流の神への信仰をもったと書かれていますが、「神は愛」である、「愛のなかに神がいる」という思いが徹底してどの作品にもつらぬかれています。

 解説のあとに、「イワンと私と太郎と」という松谷みよ子のエッセイがあります。仕事の関係から、松谷みよ子の作品には数多く触れてきました。ラフカディオ・ハーンの作品などもほとんど彼女の作品を通して知っていきました。その松谷みよ子は、『イワンの馬鹿』を幼い頃に読んで、頬でもびしっと打たれるような衝撃を受け、『人はなにによって生きるか』による激しい問いかけに、矢で貫かれるように心を刺したとのべ、これらの作品が生きてきた時代や道の風景とともにあったといいます。
 私がこの作品に年老いて出合いましたが、図書館で借りたこの本は、子どもたちに多く読まれた形跡があり熱いものが胸をよぎります。
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