『黒猫・黄金虫』
2018/02/10(Sat)
 エドガー・アラン・ポー著 松村達雄・繁尾久訳 『黒猫・黄金虫』 を読みました。
 講談社の、少年少女世界文学館全24巻のなかの一冊です。
 エドガー・アラン・ポーの作品は、ここ2・3年内に夫がハーンの会で、風呂先生の影響を受けて買った、ギュストーブ・ドレの絵が挿入されている 『大烏』 2冊だけを、なんども眺めただけで、推理小説は初めてではないでしょうか。
 この 『大烏』 の作品を、よりよく理解できたらと思う気持ちが働いて図書館から借りてきたような、とくに、この全集の最後に、繁尾久の解説と、都築道夫のエッセイがありますが、これが読みたくて借りたような気もしています。

 繁尾久の解説では、
 ≪ポーは4冊の詩集と、いくつかの集められていない詩を残した。その中で彼は、若いときには、恋と野望、権力と名声への憧れを歌った。やがて、真珠のような月や、暗い海のような神秘的な自然がたたえられ、つぎに、狂気と白昼夢のような死の影が扱われた。また、ポーの4編の詩論は、彼が単に激情の詩人であっただけでなく、詩の理論、あるいは哲学を持とうとしていたこと、および、古典的な教養を備えていたことを示している。≫
 また、都築道夫のエッセイでは、
 ≪『大烏』という有名な詩をポーは書いています。これはかなり長い詩です。それを、どんなふうに創っていったか、という解説を、ポーは自分で書いています。それを読むと、ポーが、長編小説に向かない作家だということが、わかるような気がするのです。詩は感情を言葉で表すものですが、感情だけで書くものではない。と、ポーは言っているのです。どんな感情を、読者に味あわせようとするか、まずそれを定める。その方針に従って理詰めに言葉を選んでいく。どんな言葉が、読者の心にどんな感情を呼び起こすかを計算して、一行一行、書くのだというのです。≫
 と、私の要望に応えて見解が述べられています。

 そうはいっても、本の内容がすべて推理小説ですので、その解説も、都築道夫のエッセイにあります。
 ≪殺人事件をあつかった小説は、それまでにもありました。ですが、どうして、こんな不思議な事件が起こったか、犯人はだれなのかという、なぞをとくことを中心にして、しかも、それを理論で解く、という小説は、ポーが初めて書いたのです。
理論で解く、というのは、数字を解くように、理詰めに計算して、謎を解く事です。理で推して、犯罪を解決するから、推理小説なのです。そういう小説は、誰も書いたことがありませんでした。  それを、ポーが初めて書いたから、推理小説の父と呼ばれるのです。・・・・≫
 この一冊には、「黄金虫」と、「黒猫」・「モルグ街の殺人」・「ぬすまれた手紙」・「落とし穴と振り子」の5作が収められています。
 こんなに短い作品で、推理小説が書けるのかと思えるほど短い作品が3つに、まあまあというのが、「黄金虫」と、「モルグ街の殺人」です。このうち、、「黄金虫」は、英語の苦手なわたくしに、暗号解読の場面で、英語では、Eが最も多く使われる文字であること、THEが一番多く使われている単語であることをわからせてくれて、それだけでもとても勉強になりました。そして、「モルグ街の殺人」は、それに似た作品を、テレビで少なくとも、2回くらい見たような気がして、状況が述べられるところで、だいたい犯人がわかってきたのですが・・・・。それが今から170年も前に書かれたということで、エドガー。アラン・ポーという人を偲んだ作品でした。
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