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『童門冬二集』
2018/02/12(Mon)
 現代時代小説3『童門冬二集』 大きな文字で読みやすい を読みました。
 6つの作品が収録されています。

 「元禄の薩長連合」は、水戸光圀の「大日本史」編纂にかこつけて徳川幕府打倒の秘密を練る薩摩藩の動きを、薩摩が行っている琉球貿易の秘密をタネに未然に防ぐ光圀の情報からの推理を利用してのしたたな処世術が描かれています。

 「来ぬ春を湖南の寺で待ちにけり」は、新選組の山南敬助が、新選組から手紙をおいて脱走し、芭蕉を好んでいたことから、居場所を勘ぐられ、沖田総司に先を越されてつかまり逃げるよう言われながらも、、総司に、山科に家を持って一緒に住みたいと家を見に行った明里のことも話され、脱走したことを悔いるのですが、いまとなっては、と隊に戻って切腹をする話です。

 「長崎の忠臣蔵」これは面白い話でした。最初に忠臣蔵についての、当時の論評があります。その中で、僧の山本常朝という人は、「上方衆は利口なので、人に褒められるようなやり方がはなはだ上手だが、長崎喧嘩のような無分別なことは出来ない」といったといいます。そのなかの、「長崎喧嘩」がどのようなものであったのかの話です。その長崎喧嘩の成功例をつぶさに前原伊助という四十七士の一人がつぶさに調査して2年後、その通りに忠臣蔵がやり終えたことが説明されています。

 「別離」は、奄美大島に島送りにされた西郷隆盛と島の娘オトマカネ(アイ)との話です。最初は自分への刑罰に腹を立てて、気難しかった西郷隆盛が、彼女の優しいくひたむきな愛情にふれて、長男長女までできる話です。その長男がのち京都市長になった西郷菊次郎です。
 
  「蛍よ死ぬな」は、久坂玄瑞の話です。禁門の変の後、京都に進撃せんとする長州過激派の中で煩悶し、野山獄の高杉晋作の忠告も、寺田屋事件で逃れた桂小五郎の情報もむなしく、彼は京都に乗り込み25歳の命を散します。

 「殉愛」は、清河八郎という幕末動乱期に日本中を尊王攘夷をといて歩いた人を愛したれんという女性の話です。れんは、十のうち九つが欠点でも、たった一つだけいいところがあれば、その一つで九つの欠点は許してしまえるという女性です。清河八郎が、酔ってからんできた町人を斬ってしまったために、幕府からこの時とばかり総動員の捕縛の厳命がでた。れんはあるだけの金を渡して旅にだします。結局家にいたれんが連行され、獄死します。清河八郎が所属していた浪士隊加盟の者の犯罪は特赦という案が幕府にも認められて帰ってきたがそのときには既にれんは・・・。そのあと、清河八郎も斬られてしまといという結末です。
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