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「無頼の絵師」 公事宿事件書留帳
2018/03/15(Thu)
 澤田ふじ子著 『無頼の絵師』のなかの、「無頼の絵師」を読みました。
 6つの作品が収録されている。公事宿事件ばかりを扱っているシリーズの一冊と言えます。
 このシリーズは、京都の東西の奉行所の周りにある、弁護士事務所ともいうべき公事宿を舞台として、そこに持ち込まれる様々な事件が、公事宿に居候している田村菊太郎を中心に人間味あふれるタッチで描かれています。
 奉行所の周辺には25・6件の公事宿があったのですから、そのうちにはたしかにこのような公事宿もあったかもしれません。
 シリーズのなかでも、この「無頼の絵師」は、このところ、古文書でおなじ京都二条御奉行所での、公事の「宗意問答」を読んでいて、その奉行所の仕組みが、小説の中で丁寧に説明されているので、ここに書き記しておくことにしました。

 目安:訴状・・出入物(でいりもの)として扱われる
 返答書:訴状に対し公事宿が書いて奉行所に提出するもの
 お白洲:糺問所(きゅうもんじょ)のことで、白い砂は清廉潔白を示す。お白洲の正面は二段。上段は吟味方与 力組頭(裃姿)、脇に与力二名と、小机を前にした書役が着座する。大きい事件は町奉行が座る。
 糺(ただす):審理
 公事人:目安被疑者の弁護人
 宿預け:奉行所の牢に収監されていたが、簡単な取り調べの結果、逃亡の恐れがないと判断された人が公事 屋の座敷牢にお預けになること。
 同心:罪人の疑いでお取り調べを受ける人を警護してお白洲に連れてきた人、この役の同心は、とくに突這(つくばい)同心という。
 公事宿の主:罪人の疑いでお取り調べを受ける人に付き添ってきた人
 小者:突這(つくばい)同心の後ろに控えている
 例繰方(れいくりかた):これまでおこった犯罪を、どう審理してどんな裁許(判決)を下したのか罪の軽重を記録した膨大な判例を調べる役職
 ※古文書では、前例、古例、旧例とかいう言葉で書かれていました。

 この作品は、扇問屋「布袋屋」の定助が、丸山応挙の「龍門鯉魚図」、雪舟の「山水楼閣図」の贋作を多く書いたとして、織物問屋「鈴村屋」の庄兵衛に目安状で訴えられたことによる物語です。
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