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『石仏 くまもとハーン通信 №25』熊本地震復興記念号 2
2018/05/22(Tue)
 向井ゆき子氏の、熊本地震が齎したもの「合志義塾塾生ノート」―父の面影―は、みじかい随想ですが、感動しました。

 1つには、びっくりするほどひどい震度7の地震災害を受けて、その災害によってお父様の子どもの頃のノートと大人になって夜学で教えられていたころの講義ノートが見つかったこと。
 2つには、そのノートが明治39年のノートであったこと。
 3つにはそのノートは、現在の熊本県合志市黒松に明治25年に教育の機会に恵まれない農村の子どもたちのために創設された私塾で学んだ時のノートであったこと。
 4つには、1年3か月かけて自身でそのノートの校訂・解読作業をされたこと。
 5つには、これの歴史的、教育学的、価値を見出してくださる先生に出合われたことで、それを世に送り出されたこと。

 どれをとっても何一つ 欠けてはいけない感動の数々ですが、この校訂・解読作業を通じて、「私は天国の父から授業を受けたのである」と述べられていることで、災害の景色の中で打ちひしがれた心に、お父様から照らされた光がどんなに心に響いたかと思うと感慨深く感じました。
 明治4年に読まれた
   書きおくも片身になれや筆の跡幾年すぎても墨やくちせじ
 という和歌を思い出します。
 お父様も、よもや110年ののち、我が娘が自分の筆の跡をなどるなどとは思いもよらなかったでしょう。

 じつは、合志出身の合志さんという人と、夫の同級生が結婚して福岡に住んでおられ、数年前に夫婦で泊めていただいたことがあります。彼女は広島大学在学中に、先生の所へ就職の相談に行ったとき、広島勤務をされていた甥御さんとの結婚を勧められたことで結婚したことをその時話してくださいました。以後合志市を通るときは親戚のお庭を通っているような気持ちです。これからは文化の香りにも心を向けて通れそうで楽しみです。
 
  また、 私の高校恩師である今は亡き阿川静明先生が、『ふるさとの灯』という300ページもの本を出版されて、送ってくださったことが思い出されます。これは、明治41年に先生の村の青年たちが自主的に仏教青年会と称して夜7時30分から9時30分までの夜学校を作り、読み・書き・算術などの勉強を始めた記録を知り、解読してまとめられたものです。日清・日露と二度の戦争への兵役と納税に苦しめられ、藩閥政治には不満はあるものの二度の戦勝に藩閥体制は崩れそうもなく、見切りをつけて南米などに行く者も増えた時代のことのようです。
このたび、向井ゆき子氏の記事を読んで、改めて先生の本をめくってみました。

 私も最近古文書を読んでいて、その解読方法にいろいろ悩んでいます。ほとんど解読できない夫は、平仮名ももとの文字で原稿用紙に書く方がよいのではないかなどと、脇からいってきたりします。
先生の本の最後に村の石碑文の解読が広い版を折りたたんで4枚添付されています。ご自筆の楷書でその文字の(原文)として原文通りに書かれ、つぎに(訓点読み)として、送り仮名と返り点などがあります。最後に(現代文・常用漢字・現代仮名使い)となっていて、こんな解読のやり方もあったのかと思う反面、「いえども」などは、雖を用いず「ふるどり」のない口に虫だけの文字になっていたりします。常用漢字かどうか確認する作業も大変だということにもなります。
 向井ゆき子氏の解読にも大変なご苦労があったのではないかと、そのご苦労にも敬意を表したいと思いました

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コメント
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2018/06/25 15:21  | | #[ 編集]
- 向井様 -
 コメントありがとうございました。
 著者の方とお話ができるとは感激です。
 向井さんの記事には、本当に感激し、夢のようなお話だと思えました。

 出版されたものを求めさせていただきたいと願っています。
 このたびのコメントは「管理者にだけ表示を許可する」をチエックされたのですが、そうすると、私以外見ることができません。同じ方法で、本の定価や、住所など書いてくださるとありがたいです。 
 オープンにしていいコメントは 「管理者にだけ表示を許可する」をチエックしないでおかれると、熊本の仲間の方々にも見ていただけるのではないでしょうか。
2018/06/25 17:39  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
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2018/08/19 11:43  | | #[ 編集]
- コメントありがとうございました -
 この内容のコメントは、初めてです。
ありがとうございました。
 さっそく明日書留で料金を送ります。
 送料は着払いで送ってください。宜しくお願いいたします。
2018/08/19 19:01  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
- 管理人のみ閲覧できます -
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2018/08/22 19:16  | | #[ 編集]
- ずっしりと重い本が届きました。 -
本が届いて、コメントに気づき、コメントの返信が遅くなりました。
ずっしりと重い本が届きました。
合志市出版の本まで頂けて、なんとお礼を申し上げてよいやらと、感謝の気持ちでいっぱいです。
お願いのサインもありがとうございました。
お父様のノートの写しまであるとは思っていなかったので、さらに感動いたしました。さわりだけ読んで、中臣鎌足が、その子4人で、4家となるのは、私たちの歴史の教科書にはなかったような気がして、その時代の歴史教授との違いにも興味を持つところです。
お父様のノートが、1級史料として地元で認められ、大切にされることになるようで自分のことのように、喜ばしく思っています。
明日、第215回「広島ラフカディオ・ハーンの会」がありますので、皆様にもこのご縁を報告させていただこうと思っています。
本当にありがとうございました。
2018/08/24 14:34  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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