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『かたつむりちょうじゃ』
2018/07/27(Fri)
 文・西本鶏介 『かたつむりちょうじゃ』

 むかし むかし こどものいないおひゃくしょうさんがいました。あるひ きのえだのかたつむりをみて「どんなにちいさくてもいいから こどもがほしい。」 といったら、かたつむりがいいました。「おらがこどもになってあげる。」

 おひゃくしょうさんは よろこんでかたつむりをつれてかえると、はこのなかにあおいはっぱをしき、そのうえにのせました。
「かわいい!」おかみさんもよろこんで、まるでじぶんのこどものようにそだてました。

 あるひ、げんきにはいまわっていたかたつむりがいいました。「うまにまきをつんで おらをのせてくれ。まきをうりにいく。」おひゃくしょうさんはうまをひぱってきて まきをつみそのうえに かたつむりをのせてあげました。

 すると どうでしょう。かたつむりは「はい、どう どう。」と、いいながら うまをじょうずにあるかせていきます。おひゃくしょうさんもおかみさんもかんしんして「きをつけていくんだよ。」と、いいました。

 かたつむりはみちにでると、うたをうたいました。うまはそのうたにあわせて、しゃんご しゃんごとすずをならしました。それをみて、たんぼにいるひとたちが ふしぎそうにいいました。「だれが うまをひいているのかな。」

 かたつむりは うまを ちょうじゃさんのやしきのまえにとめていいました。「まきはいらんかのう。」でも、そこにいるのはうまだけ、「たいへんです。うまがまきをうりにきました。」やしきのひとがびっくりして ちょうじゃさんをよんできました。

 すると かたつむりがくびをふり、つのをふっていいました。「おらのまきをかってくれ。」「こんなかたつむりはみたことない。」ちょうじゃさんは かたつむりをてのひらにのせました。「よしよし みんなかってあげよう。」

 それをきくと かたつむりは てきぱきとめいれいしました。「まきをおろして、うまにみずをあげてくれ。」そこへ ちょうじゃさんの三人のむすめがやってきました。かたつむりはむすめさんのひとりを よめにほしいとおもいました。

 「なんてりこうなかたつむり。」むすめさんたちも、このかたつむりがきにいりました。かたつむりは おかねのふくろといっしょにうまにのせてもらうと、また うたをうたいながらいえへもどっていきました。

 かたつむりはいえにかえるなりいいました。「おらに ちょうじゃさんのむすめさんをもらってくれ。」 「とんでもない。だれがおまえのよめになんぞきてくれるものか。」いくらきかせても、かたつむりはききいれません.。
                                 
                      つづく
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