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『協奏曲』
2018/08/19(Sun)
 遠藤周作著 『協奏曲』上を読みました。
 昭和54年5月15日、講談社発行の文庫本です・
 えっ! 恋愛小説!!
 と、その裏表紙の
 ≪かっての恋人で、今は外交官夫人になっている女性を忘れられず、再会を期してフランスへ渡る中年作家。また、海外取材という名目で、この中年独身作家の後を追う、天衣無縫に生きる若い女性アナウンサー。二つの世代の恋愛とその心理的葛藤を、同時並列の映画的手法で描く長編。≫
という説明を読んでびっくりしました。

 で、さきに解説を読みました。大方あらすじが書いてあるのかと思えるほどの内容と、
 ≪だが、作者はエロスの情熱的作家ではなく、精神的なアガペ(愛)の作家である。アガペとは本来、愛餐、つまり“ともに食事をなす、共に聖餐をなす”というキリスト教的な意味を持つ言葉のようである。アガペについて作者はエッセイ「芸術交流体について」のなかで、“ともに食事をなすような共同、交流、伝達を基とする愛”であるとし、さらにアガペを秩序と共同を基盤とする共同的愛だとしている。このエッセイは昭和32年1057年に書かれたもので、この考え方はキリスト者遠藤周作氏の人生観、芸術論であり、今日まで氏をつらぬく原理だと思われるが、「協奏曲」の中年の恋愛も、この原理、作法から逸脱してはいない。≫
と、そんな女性への恋情を解説しています。

 彼の思いを代弁する作品中の千葉については、誠にそうで御座りますか。と思えるのですが、これが、十何歳も年下の天衣無縫に生きる弓子に、私を好きになってください。体を“あげてもいい”というアナウンサーという職業を持つほどの積極的な気持ちに含羞の醜さを感じるのですが、作品の中では、、彼女の将来を考えて上手にいなします。

 ここを読んでいて、ふと我が娘が大学生の時、海と島の博覧会のスタッフのアルバイトをしていたときに、帰って私に話したのを思い出します。このアルバイトは、期間中だけではなくて、それよりかなり早くから行きはじめて、期間への準備をするようです。ガイドに採用されてきた女性への教育をする人が東京からやってきて、化粧の仕方、お辞儀の仕方、言葉遣いなどの教育をし、加えて、いたずらっ子の処理の仕方、酔っ払いの男性や、冷やかしの男性などがからんできた時のいなし方なども教育するのだと面白おかしく話したので、私も子供を見る仕事をしていたので、ちがう職種ですが、一度聞いてみたいと思ったものでした。

  読後感としては、恋愛の事もさることながら、「金高かおる世界の旅」という番組の人気をうけて企画された、ヨーロッパ旅行を利用してひそかに千葉と会おうとする弓子とスタッフのその旅行の経過を、知らない地名を地図を広げって追っていき、いろいろ想像できる気分になり、素敵でした。

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