『だます心 だまされる心』
2008/04/13(Sun)
安斎育郎著 『だます心 だまされる心』 を読む。

3月の20日頃久しぶりに近くの大学に行って本を借りた。
岩波新書だけでも随分多くの本がある。何段にもずらーっと並んでいて全て購入し取り揃えておりますと言った感じだ。
何冊か借りたが年度終わりと年度始めの忙しさ。
毎日超過勤務でくたくたで読書どころではなかった。
ブログを書いていることさえ忘れるところだった。

この『だます心 だまされる心』と言う書名、意外な感じがして借りた。
読んでみるとまたまた意外な感じだ。

著者は、東京大学の工学部の学生の頃から奇術を趣味としてやっている人で、人をだまして楽しませる達人を自認している。人間の思い込みをいかに逆手に利用して奇術を成功させるか研究しているのでこういった書物を多く書いているようだ。

普通一般にある「だます」ということの犯罪性や不道徳性についても書かれているが、著名人として崇められている医学者や物理学者、考古学者などがその分野で嘘偽りをいっていたと言う詳細な記述に驚く。
例えば森鴎外、彼は軍医の最高の位にまで上り詰めた人だが脚気の原因について途中で自分の論が間違っていたことに気づくが最後まで自分の論を曲げなかった。そのために日露戦争では戦死者47000人に対して脚気による死者27000人という被害をもたらした。また、北里柴三郎がペスト菌を発見したとき東京帝国大学を中心とする学会と共に鴎外はそれを認めなかったと言う。
また、世界的な物理学者の長岡半太郎、初代の大阪大学の学長で湯川秀樹や朝永振一郎らの素粒子物理学グループを育成したほどの人だが、50歳を過ぎて「水銀を金に換えることに成功した」と発表し、錯誤したいきさつについても、頑固な人が人の意見を聞かないために優秀な頭脳を「夢追い人」に終わらせてしまった話として書かれている。
そして、野口英世が、いまでは間違いだとされている「レピトスピラ・イクトロイデス」を黄熱病の病原菌だと発表したこと。
最近では「神の手」を持つと言われた旧石器発掘捏造の藤村氏についてなどなど。

こういった話を読んでいると、私達が今、先端科学理論だと思っていることもいずれ測定方法などの進歩などで、まったく違うことになっていくのではないかと言う気がしてくる。
ノーベル賞を受けたような理論もそうではないことが証明される可能性もおおいにある。
天動説が地動説になったように・・・・・。
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