『花信』
2008/08/20(Wed)
國弘三恵著 『花信』 を読む。

 調べてみたかった事柄について書かれている本に出会ったという感じを持った一冊である。
 
 日本人のルーツというか、日本の神話として語られている部分の歴史である。

 日本が国としての体裁をなしていく過程で、朝鮮半島からの渡来人である曽我氏、秦氏、が語られてくる。
 こういった人々はどのようにして日本で勢力を持つようになったのか。この当時渡来人とされているが、一体いつごろ渡来したのだろうか。在住民との文明・文化の差はどんな様子であったのか。そして、それまでの長い歴史の間にも渡来してきた人々がいたのではないか。いたとしたら、どんな事情で海を渡ってきたのだろうか。また、日本の地から朝鮮半島・大陸に渡った人はいなかったのだろうか。
 そのあたりの歴史を物語るものが神話であるだけに、実際の様子も夢幻のように懐かしく色々と連想したくなるのだが、その資料がどこにあるのかもわからないで長い間韓流ドラマなど懐かしんでみていた。

 この書はまさにそのテーマに充分に答えてくれている。
朝鮮半島の歴史を解明していきながら、それぞれの時代の王朝の分家の行く末、滅亡した王朝の行く末、それらを辿ってゆくことを通して、日本の地での様子を明らかにしようとしている。

 朝鮮半島との関係については、戦前の36年間というつらい歴史がある。
その前後に来日した朝鮮半島の人々の日本でのつらい立場は緩和されながらも今に尾を引いている。こういった人々が、民族の誇りを取り戻すために始まった研究の成果である。
 こういった研究の成果がそれなりに私たち読者の胸にスーッと入ってくるのは、広く愛読された司馬遼太郎の『街道をゆく』のなかのあちこちに、朝鮮半島からの渡来人の痕跡がなぞられているからであろう。日本人のおおくが、この『街道を行く』を読みながら、自分の先祖も、縄文時代、あるいは弥生時代、または奈良時代、平安時代、それ以降のいつかの時代に半島からわたってきたのかもしれないなと感じだしただろう。

 そのように感じるとき、朝鮮半島も日本の国土も同郷のような気がしてくる。
 そう思うと、今の朝鮮半島の南北分断は悲しい。そして北朝鮮の人々の苦しみを思うと我がことのようにつらいのは、日韓の歴史が自分の読書暦の中で解明されていくのと平行している。
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