FC2ブログ
『伊勢物語』
2020/12/04(Fri)
 100分で名著  『伊勢物語』 です。
 最近、100分で名著は購入はしてあるものの、読んでいないことがよくありました。
 このたびもそうでしたが、放送での高木のぶ子氏があまりにも魅力的だったので、気を入れて読みました。
期待以上でした。
 『伊勢物語』 は、在原業平を描いた物語ですが、著者ははっきりしていないとのことです。高木のぶ子氏は、書き継いでいった人たちがよんだときの願望、欲求や怨嗟を書き加えて形成されたものが藤原定家(1162~1241)によって現在の125章段にまとめられたといいます。著者については、最後(82ページ)の方で、高木のぶ子氏は、自分の小説 『業平』 を執筆する過程で、斎宮の専門家に取材し、業平の最後の妻は斎宮だった恬子(ヤスコ)に仕えていた伊勢という女性だったという説を聞かされます。自分の小説のラストには、病床の業平が自分のすべての和歌を彼女に托して死んでゆく場面を書いたと述べておられます。
 こんな素敵なラストシーンを書くことができたのも、彼女の在原の業平への思い入れからすればなるべくしてなったとの思いがする解説です。

 この作品は、読んでいて懐かしささえ感じるような美しさを感じます。

 4回の最初、思いは解ってもらえないという虚無 の章で、

≪むかし、男、いかなりけることを思ひけるをりにか、よめる。
   思ふこと言はでぞただにやみぬべきわれとひとしき人しなければ
 (思っていることは言わずに、そのまま終えるべきであろう。私と同じ人などこの世には居ないのだから、心の底より解ってもら えるはずなどないのだ。)≫

 という歌とその解説があり、

≪自分の思いは不十分にしか伝わらないという認識も、みやびの一つであると言えるかもしれません。自分の思いが百パーセントと伝わることはないし、伝わると思うこと自体が傲慢だ。あるいは、言葉がそのまま伝わると過信してすべてを言い尽くそうとする、そんなことはやめておこう。そうしたある種の諦念は、叶わぬことに抗わないという本質に通じるでしょう。≫

 という部分では、先ほど読んでいた三島由紀夫について思いを巡らすことになりました。三島由紀夫は読んでいてウンザリしてきます。あまりにもしつこすぎると思えるからかもしれません。自分の気持ちを伝えたくて最後は切腹迄することについては。何もそこまでしなくてもと思わされます。


スポンサーサイト



この記事のURL | 未分類 | コメント(0) | TB(0) | ▲ top
<<『寺澤正・岡島茂夫 詩画展』 | メイン | 『永六輔 新・無名人語録』 死ぬまでボケない智恵』>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://yamanbachindochu.blog106.fc2.com/tb.php/1402-3744a76b

| メイン |