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『ここは今から倫理です』
2021/02/07(Sun)
 昨夜、NHK総合・広島での 『ここは今から倫理です』 を見ました。
 カントのいう「人間は理性的な存在であると同時に自然的な存在である」という言葉を生徒に教授する場面から始まる30分間のドラマでした。
 この作品では、ある長期欠席生徒の心のなかに在る、カントのいう「理性的」と「自然的」な存在のありようを自覚させ、「理性的」な自律へと導いていくものです。

 ここでは机上の哲学をまことしやかに教授することを許さないのがカントの哲学かも知れないと思わせます。。わたしがそう感じたのは、習っていたころは私自身が正義を行うことで生活が成り立つ身体環境や家庭環境をともなったごく平凡な生徒であったからかもしれません。

 我が家には訪ねてくる人が意外と多く、その人たちは大好きなのに、訪問客で疲れ気味だったのが定年退職後の日常でした。ところが、月一の会合での風呂先生が亡くなられ、さらに古文書を習っていた加川さんも亡くなられて、おいしく作っての食事だけが生きがいの日々のなかでパンデミックが起こりました。やっと自分の時間、ぼーっと何時間も天井を眺めていたり、あるいはこれでもかと言わんばかりにこのおんぼろの家を掃除したりするなかで、実はとても気にかけて私を見つめてくださっていたのに私がそのことに気持を置かなかった倫理社会の阿川先生をなぜかよく思い出しています。

 先生は高校の時の2年3年の時の担任の先生でした。先生は普通科の校舎ではなく商業科の校舎に付随した小さな一人用の教員室におられて絵をかいておられたようです。初めてそこを訪ねたのは修学旅行に連れていけないと言われたことに怒って抗議のために学校にやってきた父をともなって仕方なく先生のもとに連れて行ったときです。結局話し合って阿川先生の友達が院長先生だった三次駅前の大きな外科病院に40日間入院させられました。

 先生の自宅を訪ねたのは結婚前に夫と行ったときです。わたしには中学生のころから親族のあいだでそれとなく結婚相手を決められていました。県道沿いの大きな農家です。体力に自信のなかった私は農業に自信がありませんでしたが、言い出せずいたので、誰か年長の人に相談をと思ったときなぜか阿川先生のところに行ったのでした。先生と夫とはすっかり打ち解けて絵の話などをしていました。結婚相手にと思われていた人も絵画で偶然新聞に出るような大きな賞を受賞した人だったのでもしかすると先生もご存じだったかもしれませんが、先生には親が結婚に反対すれば説得してやる位の思いもあったのでした。

 次に先生を尋ねたのは29歳の時文教女子短期大学に入学するとき内申書の相談に行ったことを覚えています。先生はその時はもう三次高校にはおられなくて、副担任だった吉岡先生に万事恃んでくださいました。

 卒業して広島大学に社会主事講習を受けに行かなくてはならなくなったころから先生はわたしを社会人と思われるようになったのか出会うと必ず食事をごちそうしてくださり、ご自分の家庭のことなどを話されるようになりました。
 そして先生は当時つぎつぎと新設される大型の文化施設の館長を歴任されるようになりました。最初に三次の風土記の丘の館長になられた時には施設を案内してくださいます。偶然施設の入って左側の壁面いっぱいの巨大な絵は、私が最初の職場で出会った小学校の校長先生の絵でした。そのころ夫がはらみちおさんと交流があり、よくアトリエを訪ねていて、彼のたくましく伸び行くものを見る下からの視線の絵と、阿川先生の総理大臣官邸に借り上げられて話題になった高みから時代をその流れからいちはやくつかみ取って見せていく視線での絵の対比を感じていたことなどいろいろ思い出します。

 あと3回 『ここは今から倫理です』 の放映が楽しみです。
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