『ある運命について』 ⑪ 
2008/12/07(Sun)
司馬遼太郎著 『ある運命について』ー『胡蝶の夢』雑感ー を読む。

司馬遼太郎の作品『胡蝶の夢』についての話。
 私は、この作品はまだ読んだことがない。
 作品に触れないままで読むのでこの文章を読んで想像するのみである。
 佐渡島から医者になるべく本土に渡った伊之助という人の話であるらしい。
 もともと、佐渡島というお国柄の説明がないとこの伊之助の思いが読者に伝わらないということで、佐渡島が、いかに身分差別のはっきりした江戸時代にあって自由の気風があったかということの説明がある。また、江戸中期以降北前舟の寄港地として日本国中の港町よろしく栄えていたか。
それが、航海術の向上により佐渡島の小木に船が寄港しないで沖を通り過ぎるだけになっていき、寂れていく。それをいち早く見越した伊之助の祖父が記憶力のいい伊之助を金に糸目をつけず勉学への道を歩ませるのである。
 
 先に読んだ『サムライとヤクザ』において江戸幕府崩壊の原因を語っていたが、ここでは、

 ≪末期には幕府機関の重要な部分が”蘭学化”することによって身分社会は大きくくずれるし、さらに皮肉なことに蘭学を学んだ者が、卑賤の境涯から身分社会において異数の栄達をした。
 ひとつの秩序ー身分社会ーが崩壊するとき、それを崩壊させる外的な要因が内部にくりこまれ、伝統秩序の中で白熱するという物理的な現象が、人間の社会にもおこりうるということも、作者は風景としてみたかった。≫
 
 と次代を担う力の胎動について、語っている。
 
 
スポンサーサイト
この記事のURL | 未分類 | コメント(0) | TB(0) | ▲ top
<<『複数の「古代」』 | メイン | 『サムライとヤクザ』>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://yamanbachindochu.blog106.fc2.com/tb.php/169-8e4978c1

| メイン |