『異境』(6)
2009/07/21(Tue)
  三浦朱門著 『異境』の続きを読む。

  「引退」
 やはり、シンガポールで長年仕事をしてきた人の話である。

 シンガポール建国の翌年から勤務しその国家の成長に大きく関与する仕事をしてきた。
 東京勤務に戻って、 まさに引退になる頃、大学に勤務する息子が、シンガポールの教授と交換教授として一年と少しをシンガポールで過ごすことになる。
 息子の嫁と長男が一緒に行くということで、その生活をサポートするために嫁が一緒に来てくれという。早めに退職していくことにするが、会社のほうで出張扱いにしてくれる。
 長年支店長として、シンガポールの人たちとはレベルの違う生活をしていたが、この度は、一般庶民として過ごすことで別の見方が出来ている。

この『異境』最後の作品。
この『異郷』の中には6つの作品が収められてあり、ほとんど似たような話である。
しかし、読み進むに連れて異郷で仕事をしながら暮らすということの感じが少しずつ伝わってくる。
働ける年代が、すっぽり外国での生活ということになると、日本でに日常の変化に共感しないまま老後を送ることになる。
そこで、暮らした国で老後を送るか日本で老後を送るかということまで考えてしまうようにもなる。
家族の問題、性の問題、文化の問題、いろいろな問題が、リアルに迫ってくるようだ。

 三浦朱門のあとがきに、シンガポールなど東南アジアに戦中いろいろな思いをしていることがつづられている。迷惑をかけたこの国々の人に対する思いと、そこで命を失った友人たちへの思いである。

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