『走れ小次郎』
2007/09/28(Fri)
   戸川幸夫の『走れ小次郎』を読む

 これも子どもの図書室で見つけた。
 戸川幸夫といえば『オーロラの下で』と、『ヒトはなぜ助平になったか』と言う本を読んだことを覚えている。
 『オーロラの下で』は内容は全く忘れたが、感動したことを覚えている。
 『ヒトはなぜ助平になったか』は、そのころ教育に関する本をよく読んでいたように思うが、この本の内容が、一番印象に残っている。
 人間を生態学的に捉えた内容は、人間が社会人としての成長について書かれた教育書に対して、その前に人間の生態について、他の動物のそれと比較することによって考えるという視点を持たせてくれた。
 そんな戸川幸夫しへの思いもあってつい手に取ったものである。
 
 『走れ小次郎』は、子供向けの書物であるだけにすぐに読めた。宮崎県の都井岬の野生馬に関する話だ。約30年前に書かれている。
 少年の愛する馬が、成長し悍馬になる。畑を荒らすようになり、牧場を追われることとなる。売られて屠殺されようとする時に少年の元に逃げ帰ってくるという話だ。馬をめぐるこれらの社会的状況は、その頃の都井岬の野生馬の実情だったのだろう。

 私の育った家も私が子どもの頃、牛やヤギや鶏などもたくさんいた中に馬を数頭飼っていた。
 私の町では私の家にだけ馬がいた。
 姿の美しい馬だった。
 馬は高価な動物であったし、餌代も人間より高かったのではないかと思う。
 そのせいか無駄の無い姿の美しさに、そのシルエットに、感動することもあった。
 何せ、理科の授業に一馬力などと、教わると尊敬の念も並ではなかった。
 馬の息、体臭、体温がよみがえってきた。
 父は、暇さえあれば、馬の手入れをしていた。
 怖がりの母は私達を馬のそばには近づけなかった。
 あんたらは腹が減ったと言うけど馬や牛は言えないのだからと、馬に食事を与えてから、私達の食事が始まった。
 昭和2・30年代の懐かしい思い出が甦った。
 
 
 
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