『司馬遼太郎短編全集』1
2009/08/06(Thu)
 司馬遼太郎・著 『司馬遼太郎短編全集』1 1950~57 を読む。

 4 「流亡の伝道僧」

昭和19年の冬、四平から新京へ行く汽車の中で、独りよがりの伝道僧を見かけた。
 その伝道僧の話。

 2回目に彼を見たのは、それから2ヶ月後。
 蒙古人の牧草地帯。
 自己紹介をしあい、名古屋訛りがあることがわかる。

 3度目に会ったのは牡丹江駅の構外。
 彼は、日本人が好きでなく、元軍籍があったが軍人が嫌いという。

 その後、彼について、少佐で軍籍を返上して真宗の僧侶になり、新版熊谷次郎直実てところで独り 合点居士というあだ名があったということを聞く。
 そして、出家遁世の理由も聞く。
 銃殺を命じられた元牧師だったという一等兵が「私は、人として人を殺す権利を神から与えられていない」という言葉を言った。それを聴いたのに起因するとのこと。

 そして、第一回の北方抑留者の引き揚げのとき、東満の国境監視班からシベリヤにまわされて帰ってきた人から、またまたこの僧侶と思える人の話を聞く。

 トラックにいっぱいの人を乗せて撤退しているとき一人の男が闇の中から飛び出してきて、拳銃を突きつけて5人の病人を乗せてくれといったという。
 むりやり3人のせて、二人を残した。
 「病人と坊主ではいくらソ連兵でも殺しはすまいさ」と道路わきの家の中に入っていったということだ。

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