『愛という字』
2009/11/26(Thu)
 向田邦子著 『愛という字』を読む。

 久しぶり区民文化センターの図書館に行った。
 村上春樹3冊と『カラマーゾフの兄弟』・『アンナ・カレーニナ』と向田邦子を2冊お借りした。
 向田邦子はブログでおなじみのカワグチエイコーさんの影響。

   伊賀山の 野辺にさきたる 萩みれば 君が家なる 尾花思ほゆ
 
 これは、近日NHKの「万葉日めくり」で紹介されたうた。

 日本が台湾を統治していた頃、台湾の女学校で万葉集を学んだ台湾人の高齢者のかたがたが現在でも、グループを作って、万葉集をよんだり、歌を作られたりされているのだそうだ。

 紹介されたされたご婦人はその中のお一人で、わが孫達にも日本語と万葉集を教えて「いいものは、つたえなくては」とおっしゃった。そしてこの歌を紹介され、この歌に出てくる萩の花ってどんな花かとずっと思い続けていたといわれて、ぐっと胸が熱くなった。
 
 そして、台湾で亡くなられた向田邦子さんのこともなぜか思い出した。

 『愛という字』には、「びっくり箱」・「母上様・赤澤良雄」「愛という字」の作品が収められている。
 みんな、日曜東芝劇場で放映されたものということ。
 読みながら、居間でテレビで放映されている映像をなぞっているような感じする。
 ほんとうに、ちょっとした気持ちのすれ違いなどからやきもきする日常生活を伏線を上手にもちいながら描いているところが人気があるのかなとも思えるし、映像から目を放させない序破急の構成にも脚本家の手腕が凄いなと感じる。
 「母上様・赤澤良雄」では、特攻隊帰りの息子が死を目の前にして、遺書を送った文面があり、なんどか涙しながら読んだ。

 画家との出会いを物語る「愛という字」も、出会った人がたまたま画家ということであるが、日常を遠くはずさない範囲でこころの機微を描いていて読後感に爽やかさが残るいい作品だった。
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コメント
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私の名が突然出現しびっくりしました。なんと言う偶然でしょう。今私も「愛という字」を読んでいました。読書の解説の簡明さと的のよさには、いつも脱帽です。
2009/11/27 14:07  | URL | かわぐちえいこう #-[ 編集]
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カワグチエイコウさんへ
 
 今読んでいるのは『男どき女どき』です。
  
 終わり近くにありました。花を生ける話。

 向田邦子さん、私たちより20年くらい早くお生まれになった人なのですね。

 学童疎開先からの妹さんの手紙のはなしで、それに気づきました。

 私たちの世代には、聞くも涙語るも涙の話ってなくて、私など語るに落ちるはなししかないのが悔しいところです。
 
2009/11/27 21:16  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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