『回転木馬のデッド・ヒート』2
2009/12/08(Tue)
村上春樹著 『回転木馬のデッド・ヒート』の続きを読む。

「タクシーに乗った男」
「プールサイド」
「今は亡き王女のための」

 どの作品も興味津々でおもしく読みすすむ。

 「今は亡き王女のための」という作品。
 あらすじはともかくとしてに示唆にとんだ一文がある。

 ≪僕は一目見たときから、彼女が嫌いだった。僕は僕なりにスポイルされることについてはちょっとした権威だったので、彼女がどれくらいスポイルされて育ってきたか手に取るように分かった。甘やかされ、ほめあげられ、保護され、物を与えられ、そんな風にして彼女は大きくなったのだ。でも問題はそれだけではなかった。甘やかされたり、小遣い銭を与えられたりという程度のことは子どもがスポイルされるための決定的な要因ではない。いちばん重要なことはまわりの大人たちの成熟し屈折した様々な種類の感情の放射から子どもを守る責任を誰がひきうけるかというところにある。誰もがその責任からしりごみしたり、子どもに対してみんなが良い顔をしたがるとき、その子どもは確実にスポイルされることになる。

 とうぜんそうだろうともと思えるが案外このことに確実に配慮できる人は少ないように思う。
 子どもをいろいろな機関に預け任せる子育てが一般的になりつつある世の中では子どもにかかわる人がそれぞれこのことを最低限の子どもへの良心として貫く必要があると思う。
 すべての子どもが自己修正されながら育つとは限らないと思うので。

 
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