『蛍・納屋を焼く・その他の短編』
2009/12/10(Thu)
 村上春樹著 『蛍・納屋を焼く・その他の短編』を読む。

 「蛍」

 読み終わるころになって、スーッと涙が出てくる作品。

 恋人が自殺をして、いつも思っているのは「彼のいる過去」であるのに、どうしたって「彼のいない現実の日常」とのギャップといったようなことに混乱している女性。
 その二人をよく知っている友達の僕が、いまでは恋人となって深いところで彼女の心の不確かな哀しみを見つめてしまう物語であるということを、読み終わって誘われた涙の中にそれに気づくといった不思議な読後感の残る作品である。
 
 村上春樹の物語が、カウンセリングのように読者に伝わってくる。
 一つのテーマへのタッチを目に映る風景を情景に写しかえる作業の中で描いているところが、無理なくテーマに近づける。そんな感じだ。
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