『差別と日本人』
2009/12/18(Fri)
 野中広務・辛淑玉共著 『差別と日本人』を読む。

 先日、NHKで、小沢一郎について特集をやっていた。(じっさいには小沢一郎のことであったのかどうかとちゅうから見たのではっきりはいえないが。)
 
 そのなかで、細川政権の興亡についてのところで、野中さんは、はっきりと細川さんが総理大臣を止めざるをえなくなった収賄事件は、辞めなければいけないほどの内容ではなかったと明言していた。
 そして、雨の中を傘をさして細川邸を偵察に行った自民党の国会議員の中に谷垣さんが大写しになった映像が頭にこびりついた。正直そんなことまでする自民党の相手を貶めるための行動にガッカリした。どう見ても正義感からの行動に見えないあさましさがしっかり印象付けられていた。
 おりしも鳩山さんのお母さんからの献金偽装問題が日夜マスコミで取り上げられているときなので、自由民主党が同じ手法で鳩山政権に揺さぶりをかけている印象を国民の誰しもが受けたであろう。
 その番組について話していたとき、家人から野中さんの人となりについての話を聞いた。
 
 日ごろあまりテレビも新聞もみず時事問題に疎い私。
 まったくひさしぶりに出版されたばかりの政治家の本を読む。
 この書は野中広務と辛淑玉の対談形式になっており、私のように世間に疎い人のための解説が間に挟まれている。
  
 いやはやびっくりの一言。
 毎日、人権という言葉を頭に置かないで仕事はできない職場にいる。
 しかし、昔のことならいざ知らず、この平成の時代に野中広務と辛淑玉とその家族が体験している差別は一体何なのかと思う。
 第一そんな差別が、差別をする人をどのように幸せにするのだろうかとも思う。

 ≪辛 野中さんが理想とする国際関係っていうのはどんな関係ですか。

  野中 アメリカとは腐れ縁ですね。日米安保条約で結びつき、これだけ基地がある。これ  は平和条約じゃないですよね。

  辛 そうですね。ほんとうは平和条約にすべきですよね。
 
  野中 うん。そういうかたちに直していくべきだと。そして日本が一つの核になって、E  Uに匹敵するアジア経済圏をつくっていく。少なくとも、朝鮮半島、中国、ロシアの北東  アジアに共同体を形成して、経済的にも友好的にやっていく。日本はこれから生き延びて  いくにはこれらの協力がなければ不可能だ。できれば東南アジアの地域全部をしたいけど  、ここには手が伸びないし、アメリカやイギリスやそういう国々の魔の手はまだ残ってお  るから、そんなとこへは手をつけないほうがいい。そこで問題になってくるのは過去の傷  ですよね。この荷物が多すぎる。

  辛 そうですね。多すぎですね。

  野中 まずはこの過去の傷をしっかりと治していかなきゃね。だからこそ戦後未処理問題  の解決が大切になってくる。それを残された人生でやってみようと思っているんだ。
  
 「野中広務」という政治家は、談合で平和をつくりだそうとする政治家だった。
 オバマは、演説で平和をつくるかもしれないけれど、野中さんは、そんなものは信じない。人間の欲望や利権への執着といった行動様式を知り抜いているからこそ、それらをテコに、談合と裏取り引きで、平和も、人権も、守ろうとしたのではないだろうか。それも生涯をかけて必死で。・・・・≫

 私も感じるときがある。日本国の主権回復のかなったサンフランシスコ条約のときのあれこれのとき、日本は周辺隣国への戦争賠償を免除され、逆にこれらの国々を射程に置いた米軍基地がつくられた。

 米軍基地を取っ払うだけが国民の必死な願いとなっているが、あわせて周辺隣国への配慮も国民の必死な願いとなるべきではなかろうかと。そういう気持ちなくして、いじめや差別に取り組む姿勢ができないような気がするが。
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コメント
-  -
こんにちは。
おっしゃるとおりで、野中さんたちが受け止めているもの、こんなものがまだ今の時代にあるのだと思うと、悲しくなります。
しかし野中さんも辛さんも、強い人たちだなあと思います。見習わないといけません。
2009/12/18 18:38  | URL | asa #-[ 編集]
-  -
 ほんとに悲しいですが、私は、共産党が言っているほどではないにしても、被差別部落への差別はずいぶんなくなっていると思います。そのこと自体を知っている人が少なくなったのと、ある不動産屋さんは、地域開発をするとき、同和地区の人は土地を売って逃げたいので同和地区の開発はやりやすくそこが現在の大型店舗などの進出などによって賑わい明るく美しい街になっているところが多いいとも言っておられました。
 それにしても、野中さんの同和地区の分析は的確だと思いました。それだけ情報が豊富なのでしょう。同和地区にもいろんなケースがあり画一的には解決できないということを充分に配慮されているということとケースごとの解決方法を充分熟知しておられるということです。ですから、施行法にもとづいたやり方だけではできないので、腹技がものを言うのではないかと思いました。
2009/12/18 22:26  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
- 初めまして。 -
野中広務さんが、所謂<同和>出身者でいらっしゃる事は、私も聞いておりました。
その件の根幹は、徳川幕府創設時期に遡る、日本の支配制度に有る訳で、未だに連綿と続いている事は、驚きを通り越して、戸惑いすら感じます。
ただ、<政治家野中>となると、やや話が違って来る事も有るようですね。
「全国土地改良政治連盟」なる怪しげな団体を率いて、国の税金を<沢山>浪費して来た事も、留意点でしょう。
いずれにせよ、彼は<権力>を持ちました。
一切何の力も無い人々が、<差別>だの<イジメ>だのの被害に会っている事が、この国の(と言いますか日本民族の)根底に有る<特性>に関わっている様な気もして、悲しくなります。
(私も小中時代いじめられっこでしたので)
ご活躍下さい。
2009/12/23 02:09  | URL | 晴れのち曇り、時々パリ #-[ 編集]
- ご助言ありがとうございました -
 この書では、具体的な対策事業の成果が取り上げられてない中で、広島の対策事業を評価しているところが2・3箇所あったことが以外でした。
 広島はわたしの在住県ですが野中さんの対極にある小森龍邦さんの出身県でもあり開放同盟が強力です。
 他の本で読んだことですが、広島は江戸時代同和地区の強力な生産性を藩に取り込むことで54万石の体面を保つことができていたので藩の同和地区に対する扱いも他の藩とは状況がずいぶん違っていたようでもあります。
 他県のことまでは理解できていません。
 また、晴れのち曇りときどきパリさんのブログを読ませていただき見聞を広げられること楽しみにしています。(何しろ日本から出たことのないおばさんでして)

2009/12/23 09:43  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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