『聖徳太子』 
2010/02/03(Wed)
澤田ふじこ 著 『聖徳太子』 を読む。

この作品は、講談社の少年少女伝記文学館<全24巻>の『イエス』につづく2巻目の書である。
 『聖徳太子』と題して「聖徳太子」については勿論のこと縄文・弥生・古墳時代そして飛鳥・白鳳・天平・奈良・平安と続く日本歴史年表の中で聖徳太子が生まれて、その長男である山背大兄王が逃げていた生駒山から下り斑鳩寺に入り、火を放って上宮王家一族が自殺を図って滅ぶというその間の「飛鳥時代」を物語っている。いわゆる氏族の時代から天皇の時代に変わり行く時代の描写でもある。

 この書の前に一般に言われている聖徳太子説とは極端に異説を唱える聖徳太子時代の書『聖徳太子はだれに殺されたのか』をとっぴな説とは知らずに読んだ。
 
 この書は300ページに及ぶが、わかりやすく系図の書き方も、地図の書き方も丁寧で子どもが読んでわからない言葉には説明や絵が添えてあるので、大人の私たちが読んでも良くわからないまま読み進むということがほとんど無いようにしてある。また、異説がある部分については必ずそのことを述べ、どうして異説があるかという説明も丁寧である。なので『聖徳太子は誰に殺されたのか』も平行して読んでいるような気分にもなれる。

 またこの書の前に、『聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか』という書も読んだ。そういった「なれなかった」説についても充分承知の上で「ならなかった」として丁寧に説明されている。
しかし『聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか』に述べられているノイローゼ説はこの書からみると当たっているともいえる。そして、その説を裏付ける論考もこの書の説明どおりといえる。

 そして、記述について『隋書』などの記述と違うところなどについての解説もある。新しい発掘などによって新しい説の立てられそうなことについても述べてある。

 この書で一番確認できて嬉しかったのは「秦河勝が聖徳太子から与えられた弥勒菩薩半跏思惟像が百済からもたらされたものではないかといわれている」という記述だった。これは日本第一号の国宝だから日本人としては日本で作られたと思いたいところだけれど、やはりこれは百済の地で造られたものが聖徳太子に送られ、それを河勝が頂いたのではないかと密かに思っていたのに、過去出会った書物でそのことを言っている書物がなかったからだ。

 そして、やはり少年少女向けの本だ。読後感に頑張って正しく生きていこうという気持ちをおこさせるのがすがすがしい。
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コメント
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弥勒菩薩半跏思惟像が百済から来た説を、あかねさんは信じているようですね。私もそんな気がします。私の隣町に北海道で初めての国宝に指定された、縄文後期の「中空土偶」があります。
私が不思議に思うのは、その時代としてはあまりにも立派過ぎて、周囲にはそれと似た様なものがまったくありません。土偶が出土したときに発掘に携わった方に聞きましたが、その側にまだ同じようなものがあると思い、懸命に掘ったが、それ以外は出てこなかったといっています。これも何処か別の場所から、お土産か何かで持ってきたのではないかと、私はひそかに考えています。古代史はこのようにいかようにも推測ができるのが、楽しいですね。勝海舟やっと詠み終えました。タイガーウッズのような人でもあったのですね!でも魅力ある人物です。次は榎本武揚と徳川慶喜を借りてきました。今年は明治にタイムスリップです。
2010/02/07 15:29  | URL | かわぐちえいこう #-[ 編集]
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 ゴルファーではタイガーウッズと宮里愛ちゃん以外は知りませんというくらいファンでしたがこの度はどうも・・・。ちょっと上手にやってよね。という感じですね。(失礼)
 縄文時代にはもはやアンデスのふもとにまで船に土器を載せて行っていたのではないかという説も寄生虫のDNAから証明されつつありますから、海洋民族である倭人の航海技術にはロマンがありますよね。
 江戸時代、船は500石までで帆は一枚だけになってから本当に農耕民族になってしまったようですが。
 それにしてもエイコウさんの住んでおられる函館も地理的にもやはり北海道の入り口としてあらゆる時代にその存在が意味を持って語られていきますね。打ち寄せる波にも歴史を感じられることでしょうね。
 榎本武揚は彼にしか読めない重要な書物を読み解くために助命されたようですが、人がまったく能力だけで助命された例はわたしの寡聞では彼だけですが読むのが楽しみですね。 
2010/02/07 17:45  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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