『遺された指輪』
2010/06/01(Tue)
 見延典子 著 『遺された指輪』 を読む。

 作者は札幌の出身だが現在広島に暮らしているためか、小説の舞台はおおかた20年前の広島だ。
 こんなに身近なところが小説の舞台になったのを読むのは初めてなのでわくわくする。
 しかも、宮島の対岸廿日市市。
 私は、県北の出身だが、長男である夫の菩提寺が廿日市にあるため先月の日曜日にはそのお寺で義父の13回忌と義母の3回忌をかねての法要を執り行ったというほどのなじみがあるところなので本当にわくわくする。

 美央は、東京での学生時代一途に愛して、男女の関係を続けていた時期もあり、結婚を考えていたのにすげなく振られた湯川と広島で十年ぶりに再会する。
 一夜を共にしたが、そのあと湯川が別府湾で投身自殺したことを知る。再開したとき二度と離れない決意した美央に遺されたのは、真珠の指輪だった。
 なぜ彼は自殺したのか。指輪は誰のものなのか。
 美央は、別れる原因になった銀行の支店長婦人の令子を訪ねてそれを探ろうとする。
 しかし、湯川の無二の親友勅使河原より、湯川が一番愛していたのは美央だと知らされる。
 一途に1人の男性を愛し続ける女と、性の欲望のままに自由奔放に生きる対照的な二人の女性を描くサスペンス。

 でも、安芸の宮島をめぐる歴史の叙述は、さすが『平家物語』をテープによって何度も聞いて身に沁み込ませているという見延さんらしく生き生きとして楽しめる。


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