『三人姉妹』
2010/06/05(Sat)
 見延典子 著 『三人姉妹』 を読む。

 長女・次女・三女、すべてが30歳台。
 広島県の呉・東京・札幌に住む3人の三様の生き方を綴る。

 娘をつれて出戻ってはいるものの実家の祖母や母とくらし他の兄弟の世話をかいがいしくする長女の葵の生き方に魅かれるものの、実際には次女のネムの自分勝手な心境に似ている自分に読むほどにうんざりする。

 この作品の中にも著者の大好きな『平家物語』の熊谷直実と若干17歳の笛の名手平敦盛の話が出てくる。そして、

 ≪実は熊谷直実は広島とも縁の深い人物でもある。13世紀に入り、子孫が所領を安芸国に与えられ、東国から移ってきた。以後地方の豪族として名を轟かせ、毛利氏が力を奮っていた時代傘下に入り、手腕を発揮した時期もある。広島市北西部には熊谷氏の子孫が築いた高松城があった。≫

 とある。高松城のあった高松山では毎年大文字祭りが行われる。今年もつい先の5月29日に例年より盛大に行われたばかりだ。

 戦国時代、安芸武田と毛利が戦っているとき地理的にもその間にある熊谷氏が寝返ることによって毛利が安芸武田を破ったと言うように私は理解していた。更に熊谷氏について見延さんのつづきをおこがましくも書き加えるなら、毛利が山口に移ったとき熊谷氏は毛利の家来として一緒に山口に行き、キリスト教に改宗した。禁制になって最後まで踏み絵をしなかったために熊谷氏は全員処刑されたと地域の郷土史家の冊子で読んだ。
 読んで数年後、夫と萩の町を散策していて意外な石碑に出会い感動して涙した。其の場所は古く教会があった場所で教会を移築するにあたり其の跡地に熊谷氏をたたえた巨大な石碑が建てられたということだった。そんなこんなと、自分の見知っている地域を舞台にした小説をはじめて読んで興奮していろんなことを思う。

 郷土史と言うのは、小説の端のほうであれ、読むほどに郷土愛が深まるという充実感を味わうことができて嬉しい。
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