『静かな木』
2010/06/12(Sat)
藤沢周平 著 『静かな木』 を読む。

孫左衛門は勘定方に出仕していたが、5年前に隠居した。隠居する5年前に連れ合いを亡くし、今は総領の権十郎が跡をついで同じ勘定方に出仕している。ほかに娘の久仁と息子の邦之助がおて良縁を得て今は他家の人になっている。

 暮れ逝く夕日にたつ葉をすべて落とした黒い欅の木を見てこのように静かな死を迎えたいと思う。

 そんな時、邦之助が「侮られたから」ということで鳥飼の息子とはたしあいをするという。そんなことをすれば、勝っても負けても婚家を窮地に追い込むことになる。
 孫左衛門は、少し待つように言いつけ、勘定方に出仕していたとき鳥飼の父親が不始末を起こした事に巻き込まれ家禄を減らされたことのあるそのことを盾に取り息子に果し合いを中止するよう命じてもらいたいとお願いする。
 果し合いは中止になる。
 じつは、この時、不祥事の証拠を確認するために書類を見せていただくようお願いしたとき書類一式がなくなっていたがこのことが表ざたになり鳥飼家は失脚し、孫左衛門は減らされた家禄が戻ってきた。
生きていればいいこともあると思う孫左衛門の話。
 

 江戸時代落ち着いた時代になっても、やはり武家社会では、腕の立つことが物事の決心をするうえで必要であったのだということを思せる部分があり、気の引き締まる思いがした。また、「侮られた」ということで果し合いをするという息子に有無をいわず理解する父親のありようにも時代の特徴を感じる。
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