『夢ぞ見し』
2010/06/23(Wed)
 藤沢周平著 『夢ぞ見し』 を読む。

 御槍組に勤めていて25石の夫を持つ昌江は丈があって姿が良い。
 夫は全体に印象がぱっとせず背が低く肩幅だけがあり丈夫そうだが煮え切らない男で、自分からはほとんど喋らず、ここ二か月は身体に触れても来ず、毎日ぐったり疲れて遅く帰宅してはすぐいびきをかいて寝るばかりで、昌江は腹を立てていた。
 そんな時1人の長身の美男子の若者が尋ねてきて「厄介になる」という。そういえば夫が○○と言う男がきたらしばらく家であずかることになると言っていたことを思い出し、世話をすることになる。 それにしても大柄な口を利く若者でしつけなければとも思っていたが、何かしらさっぱりとして嫌味がない。夫は毎日出勤して遅く帰ってくるが、この男は縫い物をしている昌江のそばでごろごろして本を読んでいたりする。昌江はだんだん好感を持つようになり夢を抱いたりもするようになる。
ある日、昌江が家に帰ってくるなり家の前で、どこかから帰ってきたばかりのその若者が4人の男に取り囲まれてきりあいになった。その時、風のように夫がまえを掛けていき、相手を切り倒し、若者の傷の手当てをする。その夜から、その若者は家を出て行く。
 後でわかったことはこの若者があたらしく藩主になった元藩主の三男繁之助であったことだった。
夫はそれ以来早く帰ってくるようになり、子どもも出来たという話。
 一見間抜けそうに見える夫が実は藩一番の剣術の使い手であり、跡継ぎ問題で奔走していたことがわかり、そして成功させ、気楽に知り合った男が、じつは藩主だったというそんなことではなく、女として情を掛ける夢の話。
 とてもさわやかな話。

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コメント
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今日はとても暑い日です。海からさわやかな潮風が吹いてきたというような、いい物語です。あかねさんのまとめ方も簡略で涼しいですよ。いざというとき頼りになる、男の中の男ですね。でも揺れ動く女心も風鈴のようで、涼しげです。
2010/06/25 12:43  | URL | かわぐちえいこう #-[ 編集]
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 十数行では、いや何行かいても藤沢周平のえがく人物像の味は出てきません。書けば書くほど遠ざかって最後にはたいぎくなるのを何とか我慢して書いています。
 最近では自分が年を重ねていることをすっかり忘れて、若くていい感じの父親が施設に来られると指導員だれからともなく「誰のお父さんかしら素敵なお父さんよ」などと ヒソヒソと話しているとみんなお父さんを見に出てきて「あらあら」などといいあうもいとおかし
と風鈴状態です。
2010/06/25 19:25  | URL | 深山あかね」 #-[ 編集]
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