『こころの回廊』 Ⅴ
2010/10/15(Fri)
渡辺郁夫著 『こころの回廊』 を読む。Ⅴ

 「西長門の旅」では、その海の美しさを親鸞の和讃、みすゞ、北原白秋、石見の妙好人浅原才市(サイチ)の作品とともに愛で歌う。
 角島大橋の白い道、その先の『4日間の奇跡』の撮影のセットために建てられた白い教会、そして六連島(ムツレジマ)にもある白い灯台。十万世界を巡り光を見失った心に新たな奇跡を呼び起こすことを願って歌う。

 日本海側の海岸線の北側の「土井ケ浜」には土井ケ浜遺跡と土井ケ浜ミュージアムがあるという。土井ケ浜遺跡で発掘された渡来系弥生人骨。これらは何代にもわたり海のかなたの故郷に向かって葬られ、海に沈む夕日を見つめながら源郷の浄土を夢見たのだろうと歌う。

 「壇ノ浦」に臨めば「浪の下にも都のさぶらふぞ」と海に身を沈めた安徳天皇を思う。
 赤間神宮にある小さな堂。
 ≪そこに琵琶を抱え今も何かを語り続ける耳なし芳一の像がある。小泉八雲の語る芳一の物語と芳一の語る『平家物語』が一つになる。・・・・『徒然草』に作者と伝える信濃前司行長は親鸞もその下で出家した慈円に仕えたという。親鸞が『平家物語』を読めばどう感じただろうか。その筆致には共感しつつも平家一族の浄土思想には未完のものを感じたのではあるまいか。芳一像は潮騒の中で今も、未完の浄土教を語り続けている。≫

 著者の浄土教への完成された信仰との対比を感じさせて感極まる。

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