『故郷亡じがたく候』の3
2011/09/11(Sun)
司馬遼太郎著 『故郷亡じがたく候』の「胡桃と酒」 を読む。

 この作品は、細川忠興とその妻たまの話。
 その妻たまとは、明智光秀の娘であり、細川ガラシャ夫人その人である。

 食べ合わせの悪いといわれたものに、鰻に梅干、さばに田螺、そばに猪肉、蟹に柿、そして「胡桃に酒」というのがあるのだそうだ。

 司馬遼太郎の作品では、たまが世に類まれな美人であったために、忠興のひょうしがたいほどの悋気を一身に浴び、「もう、いい加減にして欲しい」というたまの強い思いがあった。
 たまがちょうど戦場にいる忠興から送られた胡桃割り(細川家には、たまの好きな能登の胡桃が前田家からたくさん送られてきていた)と酒を食べ過ぎて、食あたりで苦しんだとき、医師が「食い合わせでございまする」といったことで、自分と忠興を食い合わせだという意で怒鳴ったというのである。

 この物語中の忠興の人となりに私のみじかに似た人がいて、読み終わって夫に話すと、忠興の場合小説だから誇張して書いてあるのだという。

 確かに、朝鮮出兵のとき、秀吉が例の女房狩りの一連の行為で、細川家を訪ねて、たまと通じるのではないかと心配するあまりの行動として、たまの住む奥座敷の一部を改造して、天井裏、梁、床の下などに弾薬を仕掛け火薬庫のようにし、もし秀吉が押し入ってきたら、蜀台を投げてたまに秀吉もろとも吹っ飛んで死ねと申し付けてでかけて行った。
 また、家康に就いたとき、石田三成圧政下、大阪城下に妻子眷属をおかせれていたが、そこでのたまの部屋にも、地震のときは表に逃げずに火薬に火を放って死ねと申し伝えておいた。結局たまはこの屋敷で死ぬるのであるが、このことは、本当だろうかと思えた。



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コメント
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食べ合わせの悪いものに「胡桃と酒」は知りませんでした。私は食べすぎて悪いものに「胡桃と鼻血」だと思っています。20代の頃長野の友達が実家から胡桃を送ってきたので、食べようと誘われました。女性も何人かいたのですが、私は食べ過ぎて鼻血を出してしまったのです。みんなで「川口は血があふれているんだな」と言って笑いました。若い女性の手前、なんだかとても気恥ずかしい思いをしたことがあります。それで胡桃と言えば鼻血と連想してしまいます。歴史の話に水をさすようですみませんでした。
2011/09/15 16:03  | URL | かわぐちえいこう #-[ 編集]
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 もしかして胡桃のせいではなく、なかに鼻血が出るほどの美人がおられたのではありませんか。それを鼻血で表現したというほうが、えいこうさんらしいと思いますよ。
 ガラシャ夫人のことは、なんとなく知っているような気がしていましたが、ほとんど知らず、読んでみて、ひとりひとりいろんな生涯があるものだと思いました。

 
2011/09/16 11:57  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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