「重庵の転々」
2011/11/27(Sun)
 
 司馬遼太郎著 「重庵の転々」 を読む。

 これは司馬遼太郎短編全集十二のなかの作品。

 もともとは土佐で、そのあと伊予に住み、伊予から仙台に流された、山田重庵の話。
 土佐と、伊予では、そこの人々の気性がまるで違った。
 伊予人にとって、土佐の人は怖い気性であった。その、土佐人である重庵は、伊予の山中にある深田の里に医者として移り住む。伊達宇和島藩の分藩である吉田伊達三万石の藩主が、末期的な病に罹っている。重庵のその医者としての腕の確かさを頼って、吉田から藤六という人が、重庵に藩主の治療をしてくれるように頼み込みにくる。
 重庵は覚悟を決め、治療をし、その病を完治させる。治療の間中、重庵は、藩主宗純に三万石にふさわしい行政のありかたを説き改革を勧める。命の恩人であり、彼の説く行政改革に意をえた宗純は、重臣のたかい家禄を召し上げるなどの行政改革を推し進めていく。そして、ついに重庵は、藩主の覚えもめでたく筆頭家老になり、もとの筆頭家老の家に居をかえた。それらのことから重庵は地の人々から反発を買い、本藩の仙台の伊達藩の重臣に訴えられてしまう。仙台藩は迷惑に思いつつも、両方の意見を聞き、重庵が正しいとは思うものの、切腹を申し付ける。命を助け、藩主宗純はあらかじめ書状で、重庵について、医師らしく頭をまるめてさせて、その後の身柄についてはお任せしたいと頼んであった。重庵は仙台あずかりになり、のち町医者として晩年を送った。
 世の中古今東西、平和な時代においては、正しすぎるがゆえに、中心より遠ざけられるものであるということを知らされる一作。

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