十月桜 ジュウガツザクラ
2012/03/30(Fri)
 しばらく太田川の清流にそって見通しのよい山あいを走り、橋を渡る。
向かい側の坂を登り、バブルの頃、見晴らしよく頂上に広く開発された市街地に一番近いというゴルフ場を抜け、くるくると回って降りたところの巨大団地に毎日通勤している。
 家から20分。
 通勤時のこの20分が一日の楽しみになっている。
 遠く水鳥が飛んでいたり、手招きしてくれる山の端の梢に白い花が咲いていたり、ごくまれに、川面が、あらわれわたるせぜのあじろぎといった風情を見せたり。
 そして、民家の庭木。とくに、私が挨拶のように必ず目をやって様子を伺う大きなカヤの木。それが20分の間に5本もある。3本は毎年庭師を入れて手入れをされている姿だ。もう2本は昔は手入れをしてもらっていましたが・・・という感じ。その2本のうちの1本の家族は仕事での知り合いで、私がいちど庭のカヤの木をいつも見させていただいているといったら、「はあ、あれはカヤの木というのですか」という調子だった。でも庭にすっくと立って川風から家族を守っていてくれることはわかっているという感じだった。
いやいや、こんなカヤの木のことを思っての話ではない、実はこの見通しのよい川沿いに、かっては庭木であったであろうという雑然とした物置を取り囲む雑草のなかに、昨年、たしか9月の終わり頃から咲き出したサクラがあって、それが、薄墨桜のような色合いで少しづつは散っていながらも、まわりの紅葉のなかに、そして冬景色のなかに、そしてとうとう遅い春が訪れてしまってもまだ咲き続けているのである。
毎日通るたび、いつまで咲いているのだろうとみかけていたら、最近一段とその数を増し、あでやかにもなった。
どうにも気になって、けさ、PCで検索してみた。

  十月桜 ジュウガツザクラ
10月頃から咲き始め、翌春にも咲く、年二回花を咲かせる珍しい桜。小彼岸系の品種。  

これかもしれない。
 これからも、この珍しいさくらの様子を楽しみに見ていきたい。
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コメント
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秋から冬にかけて小彼岸桜のような桜が咲き続けるとは風雅です。
通勤途上に遠くから眺める毎日、見とれて遅刻しないで下さいね。数を増しているそうですが、自然に増えるとは思えませんから、どなたかが意識的に増やしているようにも思えます。
 遊工房様のブログに紙芝居の絵として、大きなカヤの木が載せられましたが、色々周りにある木と比べてもよく解らないのです。
出先で見かけた大木、名札があればいいのですが殆ど解らずに帰ります。
欅と杉、桜、イタヤ楓ぐらいしか判別が出来ないのです。青々繁ったカヤの木は美しいことと思います。
庭に大きな樹木のある風遠しの良い家、想像するだけですが憧れます。
2012/04/09 10:52  | URL | みどり #-[ 編集]
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 樹木は、名前は知っても出会いにくいのが世の常なんだと私も感じています。
 オガタマノキが大きく育っている姿を見たいのですが、まだ夢がかなっていません。
 私の場合、木とその名前とその用途は結婚してからは、夫に教わります。
 30年くらい前でしょうか、カヤの木は山間の急な清流沿いに大木がすっくと立っていたのです。ちょうど小さな小さなカヤランがその枝に咲いていて、夫が感動して、カヤランの寄生するカヤの木を教えてくれたのです。その時、カヤの木で作った、碁盤が一番高級であること。そして、昔はカヤの実を絞った油でてんぷらを作っていたこと。徳川家康がカヤの油で作ったてんぷらを食べ過ぎて死んだこと。昔、旧家ではツバキとカヤの木を植えて、鬢付け油とてんぷら油をまかなっていた事、そんなことをいろいろはなしてくれます。
 そうだとすると、古い神社やお寺にはあるはずと推測できます。いままでたずねたところでは、必ずありました。その、大木の足元のほうに植えられたサツキを少し枝を分けてのぞくと必ずカヤの木から風で吹き飛ばされたカヤランがいっぱいあります。昨年兵庫県の書写山にいったときには、私はカヤランの採取をいたしました。いま庭の金盞花の幹にくっつけられて固いつぼみを結んでいます。
 入院したとき、同室の方のご主人がカヤの木の碁盤を2・3面お持ちとのことで、どうしてカヤの木の碁盤がいいのか聞いてみましたら、碁石を置いたとき、座りよくへこむのだけれど、あくる日になるとまた平面に戻っているとのこと。でもその方は、カヤの木がどんな木なのかは知らないとのこと。
 十月桜はそれから、あれよあれよという間に立派な葉桜になりました。
 
2012/04/09 12:04  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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