『無宿人別帳』
2012/10/29(Mon)
 松本清張著 『無宿人別帳』 を読む。

 昭和35年初版の文庫本
 江戸時代の人別帳から、記載をはずされた無宿者を主人公にした短編10話をあつめたもので、江戸市井の犯罪カルテといったもの。
 その中の、「町の島帰り」、「おのれの顔」、「赤猫」、を読んだ。
 江戸時代の牢獄がどのようなものであったかがよくわかる。
 その牢獄に、罪を犯して放り込まれたものもいれば、擦り付けられた罪によって入れられたものもいる。
 やはり、徳川将軍が代われば大赦ということもあったようだ。また、江戸に大火事が起こって、牢獄にも延焼しそうなときには、牢獄の犯罪者を、次に集まる場所と時刻を決めていったん町に逃がすということもあった。こういうことになるのを、牢獄の隠語で「赤猫」と言うのだそうだ。
 ここにある「赤猫」では、きっと帰るつもりであったのに騙されて、事件に巻き込まれて帰れず、そのまま一生を過ごしたであろうという人の話である。
 明暦3年の江戸大火のときは、伝馬町の牢屋敷が焼けた際、奉行石出帯刀の判断で牢内の囚人一同を釈放した。汝らを焼くに忍びないから、火が鎮まったら必ず下谷蓮慶寺へ来てあつまれ。とのことであったが、一人の逃亡者もなく、集まったということであった。
これは石出帯刀の英断とされて、爾来、牢屋敷が火事の危険の際の前例になったというのである。
 日本なればこその話のように感じて感動した。
 
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