『揺れる髪』
2013/08/25(Sun)
 高樹のぶこ著 『揺れる髪』 を読みました。

 みどりさんにいただいた『光抱く友よ』には、先に記録した『光抱く友よ』とこの『揺れる髪』と、次の記録予定の『春まだ浅く』の3作の作品が収録されています。
 作家高樹のぶこの作品を読むのは初めてで、なかなかの読み応えに一挙に3作読んで読み返しながらの記録になりましたが、1作ずつに分けて記録することにいたしました。

 商社マンである夫は1年間という約束でユーゴスラビアに単身赴任して5ヶ月になります。その留守に妻の時子が、夫が赴任するときにはまだ短かった髪を毎朝頭の両方に二つに分けて結ぶ役割を担っていきます。勝気な娘は少しでも分け目が曲がっていたり、結ぶ高さが違っていてもうるさく結びなおさせるので、髪を短く切ってくれないかと願っていました。そんなある日、娘はひどく青ざめて疲れたようすで帰ってきて手を異様にごしごし洗っていて、理由を聞いても言わないで自分の部屋に閉じこもってしまいます。翌日、用事で出かけた帰り、学校帰りの娘たちと出会うと、娘のかばんなどの持ち物を友達にみんな持たせています。事情を聞くと、前日の学校帰りに、捕まえたカエルで遊んでいて、このカエルの足を裂くことができた者のかばんを1週間みんなで持つことに決め、誰もやらないのに娘が裂いたのだといいます。生理的にも悪寒を覚え動転して厳しく娘を攻め立て叱ってしまいますが、翌朝娘が結んだ自分の髪を鏡に写して「髪を切る」といいだします。この髪がカエルに似ているからだといいます。勝気な娘はカエルの足を裂きはしたものの、自分が一番傷ついているのだと娘をきつく抱きしめるという話です。
 物語は夫を早くなくして女手ひとつで育ててくれた母親との生活との思い出と平行して語られます。優柔不断な自分と違って気の強い娘は母親に似ていると思いながら育てる様子を描いています。


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