『一平 かの子 心に生きる凄い父母』
2013/08/28(Wed)
 岡本太郎著 『一平 かの子 心に生きる凄い父母』 を読みました。

 やはりみどりさんにいただいた本です。

 岡本太郎の彫刻や絵画をそんなに見たことはないのですが、一度見たら忘れられないほどのインパクトですのですこしは知っているつもりでした。それらの作品がどうして生まれてくるのかということの意味がこの本を読むことによってバンバン感じられる書です。
 岡本太郎が父母のことを語りながらも、芸術とは何かについて理論的に熱く語っているところがありますし、さらにその物差しの中で、一平とかの子の作品(二人の作品に触れたことはないと思うのですが)を評しているので、よけいに彼の作品群の意味が、芸術についての感性の薄い私でも、わかった気分になれるということだとおもいます。

 この書は、『朝日ジャーナル』・『文藝春秋』・『婦人公論』など、長年いろんな雑誌などに依頼されて書いたエッセイや解説のようなものをまとめて本にしたものです。
 ですから父一平にしても母かの子にしてもそのエピソードが重複しているのがほとんどです。なんども繰り返し、私たちが自分の父や母のことを思い出すような気になって、読み進むことができる本です。
 まずは父母ともに、自分を子ども扱いせず一人の人間として、大人に対するように接してくれた。幼い頃は特に父親は朝早く朝日新聞社に出かけて夜遅く酔っ払って帰ってくるだけなので、ほとんどかかわりがなかったというのです。そのため、日中母親と二人でさみしくすごし寂しさのあまり後ろ向きに机に向かって座りつづける母親の後から飛びついて髪をひっぱったりして、箪笥などに兵児帯で結び付けられていた記憶ばかりが強調されています。
 そして、振り返って
  ≪岡本かの子は、たくまずに誤解のカタマリであった。実際、生前の彼女は息子である私でさえ、そのイメー  ジがつかみにくくなるくらい猛烈な性格だった。生涯を通じての未熟な童女であり、それと同時に、古代の巫  女を思わせるといった人があるとおり、底深く、熟しきった面があった。≫
とものべて、岡本かのこの特徴を語り母親への敬愛の気持ちを語っています。
 とりあえず岡本太郎が注目していた『東海道五十三次』を読んでみることにしました。
 岡本太郎、岡本一平、岡本かの子、そして、彼らの交友から、若い頃、論語知らずの論語読みだった芥川龍之介や谷崎潤一郎、川端康成などを違った側面からうかがい知ることができたことに、本当にみどりさんに感謝です。


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コメント
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 岡本太郎氏は川崎市高津区の(宮前区も分区前は同じ高津区でした)二子新地という土地で母親かの子さんが生まれたという深い関わりを持つ方です。ものすごい広大な土地を持つ祖父母だったとか。
太郎さんが亡くなった時、殆ど売買していなかった膨大な作品の殆どを、川崎市に寄贈して下さいました。
其処で「川崎市岡本太郎美術館」が造られました。
かって森林だった川崎の北部にあります。
 岡本かの子文学作品に関わる講座に10数年前に参加して以降、岡本太郎の大ファンとなりました。
氏は民俗学を学び絵画だけではなく、文章が親しみやすく巧みです。面白いです。
毎年数回は美術館へ行くのですが、氏の作品の多面性に、いつも新しい発見と感動があります。
関連の著書、まだ10数刷抱えているのですが、未だ手放す気持ちに慣れずにおります。
 あかね様には、かの子文学にも触れて頂きたいと思います。
一平は漫画家で、かの子の著書の幾冊かを、彼が手直ししたのではないかとも言われています。文章家としては残された作品は少なく、新聞の報道記事を書く傍ら、漫画を描き続けていた様子です。一世を風靡した人気者だったようですね。
太郎さんがテレビに出て、それを揶揄したような評判や記事が広まったこともありましたが、知れば知るほど、人間的奥行きと深さを感じます。
 絵画は、原色使いの強烈さにたじろぐ時もありましたが、会館に半日以上留まっておりますと、その強さがむしろ好ましく思えるようになったり、その時々の自分の感情の反映で、好きな絵画が変化したりします。
 あかね様にも、直接ご覧頂きたいような気持ちでおります。
2013/08/28 11:42  | URL | みどり #-[ 編集]
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 地図で、かの子の生まれた場所、一平の生まれたところ、青山の住まいのあったところ、一平の疎開していたところ、かの子の記念碑のモニュメントのあるところ、岡本太郎の美術館など確かめながら読み進めていきました。ほんとみどりさんの町からそんなに遠くないところにかの子や太郎ゆかりのものがあるのですよね。高樹のぶこの『春まだ浅き』のインパクトも覚めやらぬうち、岡本太郎の芸術一家のパンチに何か突き抜けていくような自分を感じています。はまってしまいそうです。『東海道五十三次』を読み始めましたが、最後に「作家と作品」と題して瀬戸内晴美の長編の解説文があります。先日瀬戸内寂聴がNHKと民間放送に出演していてとてもいい話が聞けましたし『かの子攪乱』という作品を書いているということですので先にそれを読みました。さらにはまってしまいそうです。自分自身の殻がどんなに小さいか思い知らされます。瀬戸内寂聴が岡本かの子の影響で作家になったことを認めていますが、彼女が出家したことにもかの子の何がしかの影響があったのではないかなどと、思いをめぐらしています。しばらく岡本かの子の世界にしたってみたいと思います。
2013/08/28 20:30  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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