『明治日本の面影』
2014/07/31(Thu)
 1990年初版発行・2007年17版発行の講談社学術文庫『明治日本の面影』、小泉八雲著・平川祐弘編を読みました。
 22の小作品があり、翻訳者は編集者を含め7人です。
 それぞれの翻訳者とその作品名は
 ☆平川祐弘 「英語教師の日記から」「日本海の浜辺で」「日本人の微笑み」「橋の上」「勝五郎の再生」「力馬鹿」「ひまわり」「私の守護天使」
 ☆銭本健二 「伯耆から隠岐へ」
 ☆遠田勝 「化けものから幽霊へ」「横浜にて」「勇子」「出雲再訪」「ちんちん小袴」「おばあさんの話」
 ☆河島弘美 「京都旅行記」「富士の山」
 ☆池田美紀子 「お大の場合」「日本の病院で」
 ☆仙北谷晃一 「蛍」「蓬莱」
 ☆森 亮 「露のひとしずく」
です。
 先に読んだ昭和33年初版発行・平成元年16版発行の角川文庫『日本の面影』、ラフカディオ・ハーン著・田代三千稔訳と重複する作品もあるのですが、この作品の「英語教師の日記から」は8ページですが、本作品では69ページありさらに解説が21ページあります。このように、内容の範囲はまちまちのようですます。タイトルの訳し方もおなじでないこともあり、読んでいて、これは読んだことがあるなと思ったりもします。読み終えて重複する作品をざっとタイトルだけ見ると、「日本海の浜辺で」・「日本人の微笑み」・「橋の上」・「蓬莱」・「露のひとしずく」などがあります。これはていねいに比較していません。

 この書でも、どの一作でも、小泉八雲の丁寧な眼差しでの日本観察で、明治の20年代の日本の様子を細かく知るのは本当に興味のあることでした。
 ハーンは、西側諸国にいたとき、西洋の文化文明に嫌気がさしていたことがわかります。そして、日本の『古事記』を読んだり仏教の研究をしたりして、東国、特に日本にあこがれてやってきたようです。そして、日本にきて、松江の中学に赴任するのですが、ここでの感想を読んでいると、まだ250年以上続いた江戸時代の風俗習慣が残っていて、しかも松平城主のお城のすぐわきの士族の住んでいた町での見聞レポートであることを思わされます。この250有余年、日本社会の中に行儀作法と戦術を教育するだけが役割である家が世襲され、それが他の身分の人々から尊敬されていたということを改めて感じます。貧しい日本の食生活に唖然としながらも、「足るを知る」日本の精神文化にそしてそのような精神文化からくる立ち居振る舞いに限りない感動を感じています。明治以降変わり行く日本のなかで、欧米の悪影響で失われていくこれらの美しい文化を惜しむ気持ちが随所に率直に書かれています。外国人から見た「明治日本の面影」は、平成の私たちから見ても、まさに「明治日本の面影」です。自分たちに流れている血への郷愁は、諸外国から略奪して国を富ます文化ではないということも強く感じました。
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