『それでもわたしは山に登る』
2014/08/06(Wed)
 田部井淳子著 『それでもわたしは山に登る』 を読みました。
 おなじ団地に住むお友達が貸してくださった本です。
 読めないでいたのですが、昨日彼女のうちを訪ねて、「いろいろ失敗もあったけど・・・と、書かれていて、歩こうという気持ちにさせてくれたのよ。」との助言で、今日は児童館の仕事が入っていたのですが、大雨警報が出ていてキャンセルになり、昨晩今まで経験したことのない息ができなくなるほどの腹痛があったこともあり、布団も上げずに横になって録画しておいたテレビを見たりこの本を読んだりしました。
 さすが世界初の女性エベレスト登頂者・世界初の女性七大陸最高峰登頂者、強靭な肉体と精神力と行動力と企画力、そして運の強さなどに驚かされます。癌も3度目の克服中、それぞれの登頂でいろいろあったであろうに、中で今振り返って心に残っていること・学んだことをシンプルに書かれてあって、読者にもやる気を起こさせ、勇気を与えてくれる本でした。読み終わる頃から、今日一日布団の上でごろごろしていたことが本当に悔やまれてきます。
 「まえがき」にあるように、《この大震災後、山で切羽詰った状態になった時、つまり土壇場に立たされた時、どう行動したかについて本にしたいという話を編集部からいただいた。第1章をにあたる部分を少しずつ書き始めて5ヶ月後のことだ。本当の土壇場が自分にやってきた。》 と腹水の中にがん細胞が発見され、余命3ヶ月とも言われる。という事情で第1章と第2章がうんと違ってくるのですが、この癌への取り組みが、これまでの不可能を可能にした経験への取り組みへの姿勢ではなかったかとこの作品をより説得力のある力強いものにしているように思えます。
 「病気や、治療の都合など人に語る必要はない。」と思っているかのように、登山、ボランティアや講演、テレビ・ラジオ出演など、ほとんどの日程を崩さずに放射線治療や手術をやってのけ、この本を読んでそのときの状況を知ったら関係者はびっくりされるかもしれないが・・・などと書かれてあります。そうでありながらも、ご主人と車で移動するとき、葬式のことについて話し合うことがあり、家族だけで静かに送って、1ヶ月くらいしてからみんなを招待してお別れパーティーでもやってくれと夫に依頼されていて、そこらのちょっとした低い山にでも登る計画を立てているような按配なのがとてもさわやかでした。
 登頂目標に、メンバー全員で下山できることを第一にあらゆることを冷静に判断してゆく。
 登頂への人生は、大自然を相手に、登頂へのあらゆる問題を偏らずに見るという目が備わっていく過程でもあったのでしょうか。
 命を預けあったメンバーとの信頼関係によって繰り広げられるボランティアのための多くの事業も、登頂と同じように、楽しんでやっていくことを忘れていないところが多くの人を巻き込んでゆくゆえんではないかと思わされたのでした。
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コメント
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 この本が読めてよかったですね。
テレビで登山について語る田部井さんを見ながら、素晴らしい女性だと感じておりました。山へ登る姿勢もですが、人生に対しても学ぶこと多く教えられた気持ちでしたので、あかね様が夏山登山を前にして読了なさったことは、当に天の与えた配剤にも思えます。
 別件ですが、お送り頂いたDVD謝して志村様にお返し致しました。
傍らにいらした花てぼ様に、2人でそろって「日本語での歌劇ですがいいですよ。「神風」といっても恋愛を主体に置いて構成してありますので、難しくなく楽しめますので、是非どうぞ」とお渡し致しました。忙しい日々のご様子でしたが、お持ち帰りになりましたので、観終わったら後には志村様の方へ戻りますので、どうぞご安心下さい。
 何かと共通の話題を深め会うことができ、あかね様が遠いのが惜しく思えてなりませんでした。
ラフカディオ・ハーンの文庫本届きました。半ばまで読み切る約束の本、読み終えましたらボチボチ読む予定でおります。
のんびり屋の私ですが、今後共にかすみ様の読後感を参考に、楽しみながら読ませて頂きます。
2014/08/07 18:59  | URL | みどり #-[ 編集]
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 癌を告知されて、いつ何時・・・。『それでもやっぱり山に登る』家の整理もしないで、ごめんね。は後に残された娘さんに向かってでしょうか。でも、治癒なさっているのではないでしょうか。マスコミを通しても名前と功績くらいしか知りませんでした。今日本を返しに行くと、まだ2章は読んでいないとのことでびっくり。1月に買ってあったのを先に私に貸してくださったのでした。

 DVDのご丁寧な報告ありがとうございました。想定内でしたよ。でも、みどりさんからいただいた『特攻とは何だったのか』も読まれるといいと思ってました。本のなかで、特攻を命じる側として源田実という人が出てくるのですが、この人は広島県の人で、退役後国会議員を長くやった人です。こんな人を選出するところに4日に福島から保養に来られた人のお話を聞きに行ったのですが、やはり凄い保守大国だろうなと思いました。大雨警報と洪水警報が出ている中、土間に小さな屋根だけあるところで3人の話を15人くらいで聞きました。

 もうブログへ書き込むのはやめてずっとハーンを読んでいます。明治の歴史がすっかり私の中で抜けているので、西欧のハーンの明治観察がとても楽しいです。ハーンのなかの物語を児童館の子どもたちにしたら大うけでした。
2014/08/07 20:31  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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