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『しろばんば』
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2007/12/11(Tue)
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井上靖の『しろばんば』を初めて読む
この小説は井上靖の7・8歳当時のことを書いた私小説である。 時代は、大正4・5年頃のこと。 所は、伊豆半島の湯ヶ島。 曽祖父の妾であった、おそめ婆さんに土蔵で育てられる。 両親は妹とともに父の任地の15師団の所在地である豊橋にいる。 井上靖は昭和37年55歳のときこの作品を書いている。 少年の頃の正義感や、憎悪感がよく現れている。 この小説の読後感で、意外に思ったのは、少年の気持ちが心情的に大変共感できることである。 同じように少年を扱った『次郎物語』は、子どもの頃読んだときには次郎の気持ちがよく理解できた。 そして自分が母親になって読んだときには母親の気持ちが一番よくわかり、孫ができ手以後読んだときには、以前、憎悪を感じていた祖母の気持ちのほうが、よく理解できた。 それで、どの作品でも年齢や、置かれた立場で、理解が違ってくるのかしらと思っていてだけに意外であった。 |
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