『我輩は猫である』
2015/01/30(Fri)
 昭和43年発行、旺文社の特製版文庫、夏目漱石著 『我輩は猫である』 を読みました。
 30年くらい御無沙汰していた愛読書です。特製版とは表紙が文庫本でありながらがっちりしています。
がっちりはしていますが、何しろすでにボロボロです。この本に限っては何度か読んで暗証している部分もあるくらいです。しかしいくら暗証したといっても、30年も前のことですし、ぼやっとなって失念しています。こんなに失念してしまっているのに、先日22日に、職場で「けん玉教室」の講師を頼まれ、とっさのことにこの『我輩は猫である』で覚えたらしいことをいい加減にしゃべってしまったのです。
 なんとなく、確認?いまさら?でも読み返してみたのでした。
もともと講師ができるほどでもないのに、このところ講師代が大幅に削減されてしまったので、けん玉がほんのすこし上手であれば、けん玉名人などと持ち上げて、臨時指導員として雇って講師をさせようという苦肉の策なのです。
 裏山に登る道で、わたしが教育実習にいったとき、その高校の体育の先生をされていて、のちに実業団のバレーの監督になられた方と出会い親しく話すことがあるのですが、先生にけん玉の講師について悩みを打ち明けると、上手な子どもにやらせて、どうすれば上手になるか子どもの言葉で話させるとほかの子どもがよく理解することがあると教えていただき、さっそく当日実行しました。
 1年男子、2年女子、3年男子、3人の子にみんなの前に出てもらって、実演してもらいました。なんと1年生の男子の子が極端に上手なのです。そうすると、3年生の男子が体裁が悪くなり悪ふざけを始めます。「先生、玉が止まらんけーできん」といいます。観客が気になって、心が定まらない様子です。「さすが3年生、大事なことを言ってくれたね。止まらないものは乗せられんよね。そんなときの呪文。相手の太刀に心を置けば、相手の太刀に心を奪われるなり。自分の太刀に心を置けば自分の太刀に心を奪われるなり、相手の心に心を置けば相手の心に心を奪われるなり、自分の心に心を置けば自分の心に心を奪われるなり、ほら、玉が止まったよ、乗せて!」偶然ちゃんと乗ったので皆が「うおー」と感嘆することになったのです。
 「けん玉教室」の終わりの挨拶のとき司会者が、「玉を止めるときはどうするの」というと、「相手の心にも自分の心にも・・・何処にも心を置いちゃいけんのよ」とふざけて実演した子が言ったので、みんな大笑いでした。これに似たようなことを、九章のなかの、沢庵和尚の不動智神妙録のなかの文言だと迷亭の伯父がいうのです。まあ何とか子どもたちを煙にまいてモチベーションをあげさせることができたようなできなかったようなけん玉教室でした。
 昨年から小泉八雲について知るようになり、改めて漱石への理解もリアルになってきました。六章では迷亭が「僕もだいぶ神秘的で、故小泉八雲先生に話したら非常に受けるのだが、惜しいことに先生は永眠されたから・・・・」と自分の過去の恋愛談を話すところもありました。
 また余談ですが、八章では、スチーブンソンも風呂先生のように腹ばいに寝て小説を書いたという部分もありました。
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コメント
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  良き指導者としてのあかね様のお人柄が楽しく浮かんできました。私はけん玉が出来ません。小さい時に教えて頂けば出来たかしら?子どもたちは、いつの日か、あかね様を懐かしく思い起こす事と思います。剣道をなさるお孫様もご夫妻と共に、けん玉を愉しんで育ったのでしょうね。
 漱石とラフカディオハーンとの結びつき等、考えませんでした。私は今となりましては、よく解りませんが、中学時代芥川ばかり読んでいました。徹底的に読んだのですが、情ない事にあまり覚えておりません。記憶が段々霧がかかるように薄れてゆきます。
2015/02/02 22:40  | URL | みどり #-[ 編集]
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 わたしたちの年代の指導員はいい講師にも恵まれて、時間的にも余裕があり、すこし熱心にやった人は、準初段くらいまではできる人がいるのですが、最近は、少子化で預かる人数も少いのにいろんな技能を身につけるゆとりがないようです。子どもたちにも技能が伝わる環境がないようです。全体もうすこし自由にのびのびとできれば技能も身につき、いろんな自信もつき、落ち着くのではないかと明治期の生活の実情をくわしく書いた小泉八雲著戸川秋骨訳「神国日本」を読みながら思わされています。
 読んだ本のことは読んだことさえ忘れてしまいますよね。この文言ももしかしたら吉川英二の『宮本武蔵』だったのではないかなと、漱石になければ「宮本武蔵」まで読むところでした。
2015/02/03 19:08  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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