『憧憬』─ラフカディオ ハーンの足跡を旅して─
2015/03/23(Mon)
 ハーベスト出版より2014年12月初版 『憧憬』─ラフカディオ ハーンの足跡を旅して─ 古川 誠(写真)、山根み佳(文)、小泉 凡(監修)、 池田雅之(引用文原著) を読みました。
 ハーンの憧れた“神々の在す国”での、ハーンの作品の印象的なフレーズと、ハーンがそれら作品を創作するにそそられたであろう、出雲・松江界隈で見た心にしみる風景写真100枚の心にしみるコラボで、心象を深く味わえる心憎い写真集です。

 《章》だては、松江・北堀の住まい・怪談・散策・加賀の潜戸・美保関・杵築大社・日御碕・隠岐・伯耆の国となっています。

 ところが、神道の神髄は、書物の中にあるのでもなければ、儀式や戒律の中にあるのでもない。むしろ国民の心の中に生きているのであり、未来永劫滅びることも、古びることもない、最高の信仰心の表れなのである。風変わりな迷信や、素朴な神話や、奇怪な呪術のずっと根底に、民族の魂ともいえる強力な精神がこんこんと脈打っているのである。日本人の本能も活力も直感も、それと共にあるのである。したがって、神道をわかろうというのなら、その日本人の奥底に潜むその魂をこそ学ばなければならない。なにしろ日本人の美意識も、芸術の才も、剛勇の熱さも、忠誠の厚さも、信仰の感情も、すべてがその魂の中に代々受け継がれ、はてには無意識の本能の域にまで至っているのである。
 (池田雅之訳「杵築―日本最古の神社」『新編 日本の面影』角川ソフィア文庫)

 波一つない、静寂なる島前の内海を囲む島々。黄金に刻々と変化する空と海の色彩。帳を降ろした群青の闇に灯る漁り火。その景色を自ら「鏡が浦」と名づけた八雲。菱浦では、苦手な生臭い魚やイカの臭いに悩まされることなく、機織の音を耳にし、美しい家々の並ぶ路地を散策した。そして、どこまでも透き通る砂浜で海と戯れ泳ぐことを何よりも好んだ。
 八雲は菱浦に、遠い記憶に眠る生まれ故郷レフカダの情景を思い起こしたのではなかろうか。晩年、妻のセツに、退職したら菱浦に家を持ちたいと言う。しかし、その願いは叶わず、八雲の夢は永遠に隠岐の海に溶け込んだ。

これらの二つの文章については、最初、怪談の情景を髣髴とさせる写真に添えられた文章の引用を考えていたのですが、最初の文章が、いま読み進んでいます井沢元彦の『心霊の国 日本』の文章とほとんどおなじなので、ここに引用し、それの対としてあとの文章を引用しました。
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2015/03/28 09:03  | | #[ 編集]
- みどりさんへ -
 御忠告ありがとうございます。20014年さっそく訂正いたします。小泉八雲は、引き出しが10個あって、一回見直すたび一段づつ上に上げて、一番上にあるのを出版社に送ったのだと教わりました。一度も読み返さず堂々とブログに掲載することを戒める講義でしたが、書くだけでも「偉い偉い」と自分をほめてなんとかブログを続けられている私です。今後とも御忠告のほどよろしくお願いいたします。
 花見ではみどりさんの舞姿、夫婦ともども堪能いたしました。舞い散る花びらがまたまたなんとも乙でございましたよ。
2015/03/31 18:02  | URL | 深山あかね #-[ 編集]
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