『うなぎ』
2007/12/21(Fri)
井伏鱒二の『うなぎ』を読む

読んでいるうちこの作品は読んだことがあると思った。

同窓会が熱海で開かれる知らせを受けて出席することにする。
ついでに、熱海の友達の岡谷君の家に立ち寄ることを思い立ち電話をすると、岡谷君は出かけていて、奥さんが電話口に出てお待ちしておりますといってくれる。
それで、岡谷君の好物のうなぎの蒲焼それも生きたうなぎを中串にしたものが好きだということで、早くからうなぎやで3匹注文をし生きたまま持って行けるように梱包してもらい嫌がる息子に手伝ってもらって東京駅まで運び熱海の旅館に頼んで中串に焼いてくれるよう頼んだりした。

同窓会も終わって、岡谷君の家に電話を入れたところまた奥さんが出て主人の岡谷は熱海の竹葉といううなぎやで待っているという。
せっかく、何日も前からうなぎの中串を彼の家に手土産にと散々手間と労力をかけたのに、彼は、家ではなくて、うなぎ屋で待っているという。

岡谷君と待ち合わせるという竹葉に電話してこちらは酔いすぎたから、もういけないと岡谷君に伝えてもらう。

実は、岡谷家には秘密がある。一人娘が、貰い子なのだがこのことは夫婦しか知らない。
娘にはなんとしてもこの事実を分からせないことに夫婦で決めている。
しかし、陸軍徴用でシンガポールにいるとき、岡谷君にその話を聞かされるのだ。
岡谷君は、彼が家に来てうっかりそのことを娘の前でしゃべられたらどうしようの思いからこのような行動に出たのだった。

人の秘密を打ち明けられたためにとんでもないことが起きるという話だ。
このようなことは気がつかないうちによくあることだとしみじみ思う。
一方的に聞かされて、あるいは偶然知ることとなって、逆に警戒される。
仲良くしたいのにとんでもない人間関係になってしまう。
こういう不幸な関係になってしまう。
長く生きていると何度か経験してしまう。
そういった話がさりげなく書かれている。
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