『かけがえのないあなたへ』
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2015/11/26(Thu)
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長谷場夏雄著 『かけがえのないあなたへ』2008年発行 を読みました。
みどりさんにいただいた本です。本の奥付には、「山口洋子さま いつも いつも ありがとう 長谷場夏雄」のサインがありました。 読み終えた直後、以前の職場でいっしょだったMさんがうちに来たので、ぜひ読んで!と貸してあげ、ブログも書けないままになっていました。先日その友達が返しにきて、彼女に貸してあげていたのだと思い出したようなことで、いまの記録になりました。 この本は、志村さんのブログ、9月27日の「青少年福祉センター・長谷場夏雄先生を囲む会」の記事への、みどりさんのコメントがあり、この本をわたしに送ったと書かれてあったのを見てさっそく読んだものです。初版特典の志村さん制作のDVD付きでもあり、わたしにとっては双方ともとても印象的でした。 わたしもいちおう子どもたちの福祉に携わる仕事をしているからです。 わたしたちの職場も、一つの施設から始まり、いまや発展して100施設をゆうにこえる規模になりました。そして組織化され、社会のニーズも変わり、昨年の定年を迎えるころには当初では想像できないような職務内容になっていました。 この作品では、孤児で中学生だった長谷場夏雄先生が、満州から幼い弟をつれて引き上げてこられ、弟を施設に預けたことが縁で養護施設で働きながら学ばれていました。しかし、養護施設を出て就職した子どもたちが職場になじめず、仕事をやめても帰る家もないことに心を痛めて4畳半一間の「憩いの家」をはじめられ、それが今の青少年福祉センターなどへと発展していった記録が描かれています。 いま、このブログを書くにあたって、志村さんのブログを検索してみました。2007年12月14日のブログ ビデオ台本「青少年福祉センターの50年」(6)を見つけることがました。 《(ナレーション・女声) 時代の変化とともに福祉センターの役割も微妙に変ってきます。30年にわたって少年たちに夢を与えた職業訓練校は、職業選択の多様化とともに役割を終えました。入ってくる子供たちに、家庭の崩壊を理由とする者が増え、現代社会の歪みが、保護者を失う新しい弱者を生み出しています。人生のスタートでつまずく「幼い負け組」を作らないこと、負の遺産の連鎖を断ち切ることが、児童福祉の根幹でなければなりません。・・・》と、志村さんの名文がつづきます。 このDVDも本を読んだときに見ることができました。映像のはじめに川の流れがあり、最後に50年をしるした用紙を川の流れに透けさせての映像があり、『方丈記』の行く川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。を感じさせられ、この映像がいつまでも強く印象に残りました。 これだけの仕事を、初心の思いを確実に各施設の職員に伝えてやってこられた先生の熱意と努力と能力と、そして子どもたちへの深い愛情に胸を熱くいたしました。 スポンサーサイト
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コメント |
- ご紹介ありがとうございます -
DVDも見てくださいましたか。川の流れと歴史記録は、なじむと思って撮りました。あの会館の土地は、今は売却されてなくなりました。組織としては健在ですが、だんだん役所的になってきているようです。それでも長谷場先生は今もお元気で、今年の9月に「囲む会」がありました。以下の記事にしています。 http://blog.livedoor.jp/shimuratakeyo/archives/55658894.html
2015/11/27 21:34 | URL | 志村建世 #O94VIzx6[ 編集]
- 志村さんへ -
役所仕事になっているだろうなと想像できます。「行政がやる仕事だー」といいながら、行政がやると現場に血が通いません。これが世の習いというのが、何ともというところです。 だからと言って、長谷場先生のなされた偉業に変わりはありません。こうして記念誌がつくられ、志村さんがDVDで残されることによって、人を人たらしめようとの情熱がそれを見た人の心を育てるということを思わされます。同僚だった人に見せずにはおれませんでした。本当にすばらしい記録でした。ありがとうございました。 いま、放映中の「こうのとり」のプロデューサーのお姉さんと4月まで仕事していました。大好きになった人でした。 ![]() |
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