「川」
2015/11/29(Sun)
 井伏鱒二著 「川」 昭和42年集英社発行日本文学全集のなかの42巻『井伏鱒二集』のなかの作品です。
 水源から海に向かって流れていく川を描きながら、その川の周囲に生きる山里の人たち、あるいは村人、そして貧しい町並みの人たちを川を中心とする風景の中に描いています。
 まあ辛抱強く書かれましたね。と思いつつ辛抱強く読ませていただきました。
 川の表情は、釣り好きの井伏鱒二が、まるで川が生き物であるかのように描いています。
 人々の生活の中で起こった事件は、その事件よりもむしろ何も起こっていない日常をより思い起こさせるようにも思える筆法です。作品も終わりに近づき、いよいよ川が海に近づき、街の中の流れとなり、川幅を倍にして劇場の裏を流れるときの劇場の話には大笑いをしました。
 《観客は、たいてい女や子どもたちばかりであるが、いつも彼女たちは麦稈真田の材料を観客席に持ち込んで来て、舞台の演技を見物しながら麦稈真田紐を編むことに熱心である。舞台にひっそりとした演技が行われるときなどには、彼女たちの麦稈細工をしている気配がきわめて微かな音になって聞こえ、まるで養蚕室にでもはいって行ったときみたいなものである。けれども万一にも舞台に愁嘆場面が出てくるときなどには、彼女たちはやはり内職作業をつづけながら、おおいに泣いたり躍起になってため息をついたりする。・・・》
 このところ、45個前後の柚子でジャムを5回つくりました。作るときは、水洗いから始まって出来上がるまでに、4時間半近くかかりますので、テレビを見ることに決めて、座り込んでする作業はテレビの前で延々とテレビを見ながらやります。テレビだから、このような作業をやりながらできるのだと思っておりましたが、劇場に内職の材料を持ち込んでやっていたなどとは・・・。と大笑いしたのでした。




スポンサーサイト
この記事のURL | 未分類 | コメント(0) | TB(0) | ▲ top
<<「塵」 | メイン | 『遥拝隊長』>>
コメント
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://yamanbachindochu.blog106.fc2.com/tb.php/818-c5df1ee3

| メイン |