『みずうみ紀行』
2007/12/28(Fri)
渡辺淳一の『みずうみ紀行』を読む。

この本は昭和60年に発行された20数年前の本であるが、図書館でほとんど開かれたこともなく置き去りにされていた感じのする「新古本」といった本である。

ほとんど開かれたことがないというところが幸いして、20数年前の湖の姿と著者のまなざしをまっサラのまま見せてくれる。

一言でいって、「すばらしい。!!」

「絵にもかけない美しさ」というが、絵にもかけない美しさを何枚かの写真で切り取り、解説してくれる。
その美しさを語るテクストにさらに感動させられる。

美しさとはいったいなんであろうか、「渡辺淳一が湖畔にたって感じる美しさということの実態はなになのか」ということをじっくりなぞることができる。

北海道を中心とした湖や池を19こ。
それぞれの美しさや感慨を何度かたずねて確信をもって語ってくれる。

実は、渡辺淳一の『失楽園』をテレビで見たときには少しがっかりした。
しかし、この『みずうみ紀行』を読んでいると、渡辺淳一が外科医であったときに相対した患者(人間)にどんな思いであったろうかと考える。

いくつかの自殺者の「遺体」と「思い」をのみこんで、波ひとつ立てず深い緑色の山を映して微動だにしない湖。

死者の霊魂を感じながら、この美しい湖畔の一隅になんどもなんども一人たたずむ渡辺淳一の姿を思い浮かべる。

※ 菱の実が「ペカンペ」といってかってアイヌ人が常食としていたことを知る。
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