『きょうもいい塩梅』
2016/02/13(Sat)
 内館牧子著 『きょうもいい塩梅』 を読みました。
  「面白いのくて」と裏山散歩登山で出会う水野さんが貸してくださいました。
 言葉どおり、家事のあいまに大笑いしながら読みました。読んだ端から忘れるので最後の部分しか覚えていないのが残念なのですが・・・・。
 最後というと藤原正彦という人の解説です。この解説を読んで内容を思い出すのですが、このぶんだと向こう一ヶ月当たりにはすべて忘れてしまうかもしれないと不安になります。
 この作品は3年間にわたって『銀座百点』に連載されたエッセイがまとめられたものだそうです。著者は向田邦子に憧れて脚本家になったのだそうですが、向田邦子も同じ『銀座百点』に連載されたことがあり、さらにこの文庫本同様、文春文庫に収められたということで、夢がかなった喜びが率直に述べられてあり、好感が持てます。
 この著作を通して、大河ドラマや朝の連続ドラマなどのテレビ制作の舞台裏に触れてあるところでは、かなり想像していたのと違っているので、なるほど、と思ったものでした。
 この作品のあとがきに、著者が3年後に読み返しての感想として、
 《その人間の考え方の根幹をつくるのは「時代」なのだということに改めて気づかされています。》とあります。
 本の中には普遍的な本がある一方で時代をかんじさせる本がありますが、この時代を感じさせる本も必要なものだと思われます。2001年に出版されたとき、既に時代を感じたというのですから、それから15年たってのこの本との出合いです、そういえばそんなことがあった、などと思って読むのですが、私と同じ学年で育った人であるだけに、感じ方が似ていておおいに楽しめたのだと思われました。
 「ケーキ」というエッセイで、50歳ころ武蔵野美術大学の3年生に編入して2年間を過ごした時の思い出を書いています。このとき以外にも、勉強をするために大学に席を置いていた様子が伺えます。このときの先生方との関係についてはほとんど触れていませんが、他の学生との思い出を語っていておもしろく読めました。
 最初は講義だけを受けてさっさと帰宅する気でいたが、学生たちがごく普通に親切にしてくれて気安く付き合え、大変な体育の授業の後にパーティーを開いたときには著書で知った誕生日であることに事寄せて、知らないうちに会費を自分たちだけ200円ずつ余分に集めてケーキをプレゼントしてくれたと語られています。有名な職業婦人で忙しいので学生とのかかわりについてまで考えていなかったというのは十分了解できますが、同じ空間で学ぶものとして、好奇心旺盛な学生たちがそれとなく取り込んで共有したいものがあり、それに応える著者の年下の若者へ対する深い思いがつむぎだした学園生活が十分に想像できます。わたくしも高校を卒業して少ししてすぐ近くの広島大学の夜間の法学部で聴講したり、市外の可部に移ってからも文教女子大学の短期大学部に行ったり、再び広大で社会主事教育講座を受講したり、そのあと再び文教で臨床心理学を聴講したりしたときのほかの学生たちとのことなど久々に思い出していました。
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