第192回「広島ラフカディオ・ハーンの会」参加記録
2016/08/07(Sun)
 当日、8月6日は、平和式典の中継もあり、オリンピックの開会式もあり、個人的には、昨日葡萄の収穫後に剪定をしたとき、隣の敷地に落としてしまった切り落としの枝などの清掃をさせていただいたり、やっと重い腰を上げてくれた夫を伴って冷蔵庫を買いに行ったりして、あわただしくむちゃくちゃ暑い中を早めに出席いたしました。
 このたびは、「極東の将来」について学びました。
 ラフカディオ・ハーンが、熊本第五高等中学校に勤務していた、明治27年(1894年)1月27日、端邦館で開かれた演説部例会で、全校生を前に「極東の将来」の題で講演したものです。
 わたしたちの会であつかう対象作品として風呂先生が、参加者の希望を聞かれて決まったものです。会員が読んで、それぞれ感じるところがあった作品だったからの希望と思えます。
 風呂先生が、作品の部分、部分を指し示しながら要約して、ポイントをきっちり整理してくださいました。
 日本の将来は、西欧の影響抜きには考えられない。西欧の問題は、急激な人口増という問題もあり、各国が自給自足できず、飢餓の恐怖にさらされており、国外からの海路輸送不能になれば餓えるという問題です。日本国民は、本来あらゆる面で生活コストを抑えて、生活できることで、偉大な経済家である自然の理にかなう。《日本の偉大な将来は、生活中で単純、善良、素朴なものを愛し、不必要な贅沢と浪費を憎む、あの九州スピリットとか熊本スピリットといったものをこれからも大切に守っていけるかどうかによる。》と締めくくってあります。
 「飢餓の恐怖」について、本文中の《テニスン卿でさえ「艦隊」というバラードの中で、「餓える」という飾りけのない言葉をためらわずに使っている。》という部分から、西欧のそのころの事情をもっと知ることによって、ハーンのこの講演内容の意味を深めようということで、寺下さんが資料を提供して説明してくださいました。
 当時のイギリスのジャーナリズムを刷新し、近代ジャーナリズムの祖といわれるウィリアム・トーマス・ステッドは、イギリスと帝国の安全保障にとっての海軍の予算拡大の重要性を、当時社会的影響力を持つ国民的詩人でもあったテニスンに伝え、それによって作られたテニスンの「艦隊」というバラードが新聞紙上に掲載されました。そのようなステッドのキャンペーンによって、彼の主張が注目されるようになり、1889年の海軍防衛法成立もしたということです。食料自給については、安価な食料を手に入れようとして自由貿易にすれば、国内の農業が立ち行かなくなるといったジレンマは、当時からあったこともわかりました。
 秋山真之が観戦した、カリブ海での米西戦争についても話されたので、お話の後で、秋山真之も「飢餓論と海軍の重要性について勉強したでしょうか」とお尋ねさせていただくと、「最初に読んでいました」と答えてくださいました。
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